前回は津軽と南部の争いがなぜ起こったのかについて、お伝えしてきましたが今回は文化の違いについてお伝えしていきたいと思います。
さて、いきなりですが津軽地方と南部地方とでの結婚はあまり良く思われていなかったり、反対されることをご存知でしょうか。
実際、私の親戚も津軽地方と南部地方での結婚をしたのですが、数年後には別れてしまいました💦
もちろん、昔から犬猿の中ではありますが、同じ県でも食文化が全く違うと言う要因もあるようです。
それはそうですよね。どっかがどっちかに食べ物も合わせなきゃいけないってのは結構なストレスになりますもんね。
また、青森県内では「八甲田山」を境に東と西で気候が大きく異なるのも分かっています。
これは「フェーン現象」と呼ばれる気象現象の一種で、夏の東側は太平洋から冷たく湿った風の「やませ」が吹き込み、濃霧や冷害に見舞われます。
かたや、西側は夏は非常に良い稲作地帯になっており、冬は逆に日本海から来る湿った季節風が吹き、八甲田山にぶつかって豪雪になるが、東側ではあまり雪は降りません。
そして、東西というのはまさに南部地方(東側)と津軽地方(西側)を位置しているところからも、気候での文化の違いをも分かると思います。
西側の津軽地方では冬の豪雪により、春になり溶け出した豊富な水により、稲作が盛んになり縄文時代で最大の遺跡でもある『山内丸山遺跡』や弥生時代の稲作遺跡もそのようなところから発展していていったのかもしれません。
また、青森県最大の山である「岩木山」も津軽地方側にあり、そこから溶け出した水が豊富な栄養分を含み川に流れて、「十三湖」まで進み、そこで取れる「大和しじみ」は日本でも有数なものとなっています。
私も、夏に「しじみ狩り」をしたり、「しじみ」を使ったラーメンを食べたことがありますが、しっかり出汁の取れたラーメンで他にはない、子供にも食べやすいラーメンとなっているので、是非一度はご賞味ください♫
ただ、週末やお盆・ねぶたの時期などは無茶苦茶混んでいるので時間に余裕を持って御来店下さい。
逆に、東側の南部地方では稲作よりも畑作が育ちやすかったことから、麦や蕎麦・また食肉(豚・牛・鷄)なども比較的育てやすくなっています。
B級グルメで有名な「せんべい汁」なんかはまさに小麦を使いせんべいにしたものを鍋の中にいれ、さらにこのせんべいは「南部せんべい」と呼ばれているところからも、想像ができますね!
また、八戸港は江戸時代から『東廻海運』の寄港地になっており、その後も重要港として日本でも有数の水揚げ量を誇る港となっています。
なかでも「イカ」は日本一を誇っているほどです。
さらに、「アワビ」と「ウニ」を煮た汁物の「いちご煮」も有名です。
お土産でも、中々高価な値段になるのと、珍しいというところからお土産としても喜ばれます。
さらに、津軽地方では砂地が多い為にメロンやスイカが特産物となっていて、逆に南部地方ではにんにくやゴボウなど、根菜類がたくさん作られています。
あとはなんといっても津軽地方で有名な夏祭りである「ねぶた」が南部地方ではやっていないのです。
頑なにやらないのも、どこかしらで未だに敵対意識があるのでしょうか。
ちなみに、ご当地の厳選100選に選ばれているのは「せんべい汁」と「いちご煮」でどちらも南部地方側と言うのも面白いですね。
と、このようにひとつの県でここまで大きく異なった文化が続いているのも珍しいと思います。
皆さんもこれからの季節、暖かくなってきているので、このような歴史や気候を感じながら観光をしてみてはいかがでしょうか。