昨今の『人件費』・『物価の高騰』によって、ほとんどの業種がその影響を受けています。
中でも、その影響によって苦しめられている業界の代表格と言えば『ラーメン屋』。
その大きな理由が、いわゆる『1000円の壁』。
ラーメン1杯の値段を1000円以上に設定するのが中々に難しい業界なんです。
実際に、ラーメン業界の倒産率は3年以内に70%とも言われている業界。
というのも、そこにはいくつもの問題が重なっているからです。
まず1番の理由は、ラーメンと言う『国民食』に対するイメージ。
実際にラーメン1杯で1000円を超えていたら、どう思いますか?
味たまやチャーシューなどのトッピングを「全部のせ」、あるいはサイドメニューとして〇〇丼を追加してでの1000円越えはまだ分かりますが、レギュラー単品のメニューで1000越えって…。
ちょっと高すぎる気がしませんか?
だって、大手チェーン店レストランだとランチタイムで1000円以下という価格は、ザラにあるし、そして美味い。
だったらそこで食べた方が安上がりって気がします。
2023年に『SBI新生銀号』が発表した、「2023年会社員のお小遣い調査」では、月のお小遣いは平均で月に3万7779円だったそうです。
その内訳は、男性が4万557円・女性3万5001円で昼食代は平均1日で642円が男性・女性は696円になります。
その中でラーメンが1杯1000円以上もしたら、どうでしょうか?
毎回食べに行けますか?
だからこそ、戦後間もない時の屋台で売り出していた頃から広まった、『国民食』であるラーメンのイメージを打破し、「1000円を超えても食べたい!」と言うような『イメージ戦略』に供給者もしなければいけないし、それに対しての需要者もついて行かなかければいけないのです。
最近では、「ネオノス系」ということばも登場し、そのイメージを打破するような動きも見られるようになりました。
「ネオノス系」とは、「ネオ・ノスタルジック」の略語で「次世代の昔ながらの中華そば」をコンセプトに、その安いというイメージ・さらに進化した味を追求し、『1000円の壁』をぶち壊そうという流れになってきています。
そんな中で次なる問題というのが、『固定費』・『変動費』の上昇。
ラーメン屋でいう『固定費』とは、『人件費』・『家賃』・『共益費』・『管理費』など。
テナントを借りてお店を開いている場合は、必ず一定の出費が掛かってくる、いわゆる『テナント料』と、人を雇えばこちらも必ず掛かってしまう『人件費』。
2023年10月1日から東京都では、最低賃金が1時間で1113円と改正されました。
となると、ラーメン1杯を売っても1人分の時給にも満たないんです。
だから、1人の従業員に対して時給を支払うには、2杯以上の売らなければいけないんですね。
さらには『固定費』以外の全てのものに対しての『変動費』。
ここで言う『変動費』とは主に『食材費』や『光熱費』・『通信費』などです。
『物価高騰』の昨今、ほぼ全ての物が物価上昇をし、その影は『飲食業界』にも押し寄せました。
そうした中で、味へのこだわりを強く持って営業しているラーメン屋の亭主たち。
より、厳しい状況となってしまったのは明白です。
ある店舗では、基本原価率は30〜35%が目処と言われている中で40%を超えている状況が続いているのだとか…。
そうなると体力の無い、個人経営の店は疲弊してしまうのです。
『1000円の壁』と言う悪しきイメージのせいで…。
2022年11月までに『飲食業界』の大手チェーンのうち、値上げした業態はなんと、「中華・ラーメン」の部門でした。
だから、もっと『1000円の壁』をぶち壊しても良いのです。
もちろん、それに見合ったような味・接客を徹底することが大事となってきますが。
それも、今となっては当たり前で昔ほど「俺の店だから、俺が法律ダァ‼︎」みたいな店は、ほとんど無いような気がします。
どっちかと言ったら気さくで、心遣いがちゃんと出来ているお店が多いし、もしそんな店があったとしても、客離れが増すだけでしょう。
もう、そう言う時代となってきているのです、「ラーメン業界」も!
また2014年からは『ミシュランガイド』にも「ラーメン部門」が新設されたことがきっかけとして、しっかりとこだわったこの『1000円の壁』をもぶち抜くラーメン屋が出来たことでも、この悪しきイメージを払拭に繋がります。
だから今こそ、時代やニーズにあった価格をもう一度見直すべきなんですね。
我々『日本人』の『国民食』、ラーメンを守るためにも!
そうやって考えると、1000円以下するラーメンは全然アリかも!
とりあえずは、社会貢献の為にもトッピングやサイドメニューで1000円以上を支払って、その食べた時の幸福を味わいたいですね。
やっぱり、ラーメンが好きだぁ〜‼︎