2023年12月4日に、今年を代表する一皿が発表されました。
これは大手飲食店情報サイトの『楽天ぐるなび』を主体として、アンケートやメディア関係者の審査を通過した一定の条件を満たしたものに対して贈られる賞。
その条件は、
①.その年に流行または話題となった。
②.その年の社会の動きと関係が深く、世相を反映している。
③.食文化の記録として後世に受け継ぐ価値がある。
と厳密に決まっており、まさに今年を代表する一皿。
さて、その映えある大賞に選ばれたのは『ご馳走おにぎり』。
【出典:『2023年 今年の一皿®️』公式サイトより。
https://gri.gnavi.co.jp/dishoftheyear/2023/
2023年12月8日利用。】
その選定理由は、
①.ふんだんに乗せた具材のしるしが食欲をそそり、見た目の華やかさからSNSを中心に話題となった。
②.豊富な具材から選べる楽しみと飲食店で握りたてを味わうスタイルが消費者に受けご馳走へと進化した。
③.おにぎりの消費支出額(※1)が増加傾向にあり専門店の新規開業が相次いで、中・外食の精米消費(※2)を後押しした。
④.また海外でも“ONIGIRI”の名で販売され、日本の伝統的な食文化が浸透しつつある。
(※1 「家計調査結果」(総務省統計局)より ※2 米穀安定供給確保支援機構「米の消費動向調査結果」より)
となっています。
【上記は『2023年 今年の一皿®️』より抜粋。】
簡単に言うと、現代社会で必須であるSNSで映えることと共に、上に乗っている幾つもの具材がちょっと豪華に見えて、それが食欲をそそるような『おにぎり』が今年は各地で流行を見せたということになります。
では、何故『ご馳走おにぎり』が流行ったかと言うと、1つ目は前述したように、SNSの世の中での浸透。
全世界を通じて見られるのが当たり前になったこと。
2つ目は持ち歩きのできる『おにぎり』でちょっと贅沢に、しかも話題性にもなること。
3つ目は、現在の社会情勢の影響。
去年から続く、世界・社会情勢が逆風となり、物価は高騰・さらには円安となった中で、海外からの旅行客が増えたことと、小麦などの輸入品が高騰したことです。
元来、『日本』の主食は『米』であり、安定した値で手に入りやすかったことから、それにプラスアルファで豪華に魅せる『ご馳走おにぎり』は、まさに今年の世論の象徴とも言うべきもの。
だから、今年の顔として大賞に選ばれたんです。
他にも『和食』が『世界無形文化遺産』に登録され10年。
世界中でその名前が浸透したことです。
以前の『Rice Ball』から『ONIGIRI』へと『ニューヨーク』などで呼称が変更されるほど、その知名度は抜群。
さらには『新型コロナウイルス』が第5類に移行したことに伴い、外に出て食事を楽しむことが増えたこととの相乗効果によって、需要が高まりました。
その他には準大賞として『米粉グルメ』が選定されました。
【出典:『2023年 今年の一皿®️』公式サイトより。
https://gri.gnavi.co.jp/dishoftheyear/2023/data/
2023年12月8日利用。】
こちらも『おにぎり』同様、高騰化する輸入小麦の代替品として、国内生産で安定した値で手に入れることと、『米粉』特有のモチモチとした食感やしっとりとした食感を活かして、お菓子やパン、麺類にも使われるようになりました。
さらにはここ最近の『健康志向』や『グルテンフリー』などの影響を受け、『米粉』自体が広く知られるようになったことも要因のひとつとなります。
次に、食のポシビリティ賞は『陸上養殖魚』。
【出典:『2023年 今年の一皿®️』公式サイトより。
https://gri.gnavi.co.jp/dishoftheyear/2023/data/
2023年12月8日利用。】
今年、『陸上養殖魚』が選定された理由は、『福島原発』の処理水問題や『地球温暖化』などの海での環境問題に関係無く、陸上ならどこでも養殖が可能となったことによります。
これによって持続可能な水産物を養殖でき、輸送コスト削減や、新鮮な水産物を運ぶようになります。
また、先端技術を勉強した新規事業の参入者がドンドン入ってくることによって、切磋琢磨をし、さらなる品質向上や美味しさの追及に期待されています。
「ポシビリティ」とは、「将来性」と言う意味なので、いかにこの分野の事業が期待されているかが伺えますね。
これに伴ってノミネートされたのは『ホタテ』。
【出典:『2023年 今年の一皿®️』公式サイトより。
https://gri.gnavi.co.jp/dishoftheyear/2023/data/
2023年12月8日利用。】
これも『福島原発』の処理水問題によって、『中国』などの輸出国が禁止した結果、風評被害で水産業者への打撃を受けたことから、『自衛隊』や『学校』、大手飲食チェーン店などが支援し、大きな手助けとなりました。
今後も、このような支援によってさらなる消費が高まると期待されていることからノミネートされました。
このように、今年あった社会情勢をモロに受けた食品がノミネートされる結果となった2023年の『今年の一皿®️』受賞対象食品の数々。
皆さんも、是非今年を振り返って食べる前に一度「こういう事が起こった年だったんだなぁ。」と振り返ってみてはいかがですか?
きっと食べる時に、その背景を思い出すことになりますよ!