12月も中旬に入り、鍋が恋しくなる季節となりました。
「寄せ鍋」・「キムチ鍋」・「もつ鍋」なで全国にはさまざまな『当地鍋』がありますが、「東京都」を代表する鍋と言えばなんと言っても「ちゃんこ鍋」。
【出典:『農林水産省』公式ホームページから『うちの郷土料理』より。
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/34_28_tokyo.html
2023年12月14日利用。】
さて、「ちゃんこ鍋」と言えば『相撲』と言うイメージですよね。
そして『相撲』と言えば「両国」ですがその起源は江戸時代。
「両国」にある『回向院』の境内で『勧進相撲』を興行したことからとなります。
この寺院の宗派は、『浄土宗』となっていますが、江戸時代最大の火災であった『明暦の大火』で亡くなった焼死者の10万8000人を幕府の命で埋葬した『万人塚』を作り、その後も水死者・刑死者など、ありとあらゆる人や動物を埋葬・供養していました。
そんな江戸庶民にとって、大事な寺院の修復・造営の費用を作るために開催したのが当時、『歌舞伎』とともに人気を博した『相撲』だったんです。
これが現在にも繋がる『大相撲』の起源で、『明治』に入り『両国国技館』が出来るまで『回向院』で度々『勧進相撲』が開催されていたことから、『回向院相撲』とも呼ばれています。
【出典:『東京都立図書館』より。
https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/portals/0/edo/tokyo_library/sumo/page1-1.html
2023年12月14日利用。】
『両国国技館』が出来ると取組はこちらへとなり、第19代横綱の「常陸山」が大人気に!
彼に憧れて「出羽海部屋」への入門者が一気に増えた事から、大所帯となってしまった為にみんなで鍋を囲んで食べれる「ちゃんこ鍋」が考案されたんです。
その考案者ももちろん「常陸山」。
これ以降、『相撲界』では他の部屋でも「ちゃんこ鍋」が定番化となり、現在に至っています。
だから元々は、『力士』の食事は1人1人に配膳されていたんですよ。
それを変えたのが『相撲』を『日本』の『国技』にまで押し上げた「常陸山」。
現在我々のイメージする『大相撲』の礎を築いてたのはまさに「常陸山」だったのです。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B8%E9%99%B8%E5%B1%B1%E8%B0%B7%E5%8F%B3%E3%82%A8%E9%96%80
2023年12月14日利用。】
そんな「ちゃんこ鍋」を調理を担当するのは、主に『幕下』以下の『力士』が交代で行っています。
中でも古株で取り仕切っている『力士』を『ちゃんこ番』と呼び、彼を中心に「ちゃんこ鍋」の味付けされます。
ただし、各部屋ごとに『伝統の味』を守り引き継いでいっているものもあり、これらは『門外不出の味』として敬われています。
以前は、「両国」に鶏の相場を決める市場があったことから、「水炊き」と共に鶏ガラをダシに使ったいわゆる「ソップ炊き」が好まれて食されていました。
これは、牛や豚など4本足の食肉に対して、鶏は2本足であり、『相撲部屋』では「手を地面につくと負けてしまう。」からと言う、『験担ぎ』の意味もあったようです。
『高度成長期』以降は、牛や豚、魚なども各部屋で一般的となり、今では何をいれても『力士』が作る鍋はすべて「ちゃんこ鍋」と称されるようになりました。
その後、引退した『力士』たちがこぞって「両国」近くで「ちゃんこ鍋」の店を出したことによって、世間的にも広まり、今日では東京を代表する『鍋』として広まっていったのです。
『食の歴史』とは面白いですよね!
余談ですが、「ちゃんこ鍋」は『プロレス界』でも広く食されていますが、その理由は『大相撲』の元『関脇』出身の「力道山」が、多くの元『力士』をひきつれて、『日本プロレス』を設立した事がきっかけとなっています。
「力道山」が『プロレス団体』を立ち上げるきっかけとなったのは、『アメリカ』出身の「ハロルド坂田」と言う人物と知り合い、意気投合した際に、『GHQ 』による占領下の時代、兵士たちの慰問と障害者への『チャリティー』のために『プロレス』の試合を開催した事となります。
この時、一緒に練習をしていた「力道山」はやがて『日本プロレスの父』となる訳ですが、そのきっかけを作る試合を開催した『慈善団体』と言うのが『フリーメイソン』。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%B3
2023年12月14日利用。】
ここでも、しっかり出てくるんですね!
この秘密結社というのは…。
さて、肝心の「ちゃんこ鍋」のレシピとは言うと、『農林水産省』の公式ホームページの『うちの郷土料理』によると、やはり「鶏ガラスープ」を使っているようです。
正確なレシピは以下の通り。
材料(4人分)
・鶏もも肉1枚
・鶏だんご10個
・白菜1/4個
・にんじん1/3本
・長ねぎ2本
・水菜1/2福る
・しいたけ4枚
・絹ごし豆腐1/2丁
・油揚げ2枚
・くずきり1袋
【スープ】水 1000㏄
【スープ】鶏ガラスープの素 大さじ3
【スープ】塩 小さじ1
【スープ】にんにく(すりおろし) 3~5片
【スープ】しょうが(すりおろし) 少々
作り方
方
1.具材は全て食べやすい大きさに切る。
2.スープを鍋に入れ、沸騰させる。煮えにくい具材から入れて、火を通す。
3.煮えた具材からいただく。
となります。
【出典:『農林水産省』公式ホームページから『うちの郷土料理』より。
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/34_28_tokyo.html
2023年12月14日利用。】
寒くなってきたこの時期、家族や友人など親しい仲で皆さんも「ちゃんこ鍋」を囲って楽しんでみてはいかがですか?
ちなみに、『力士』が作るのが「ちゃんこ鍋」で、一般の方が作るのが「寄せ鍋」として、しっかり区分されているようです。
だから、実際には「ちゃんこ鍋風寄せ鍋」なんですけどね。
家で食べる時には…。