今週でいよいよ最終回を迎えた2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』。
『明智光秀』のイメージも今までと大分変わった方も多いかと思います。
そして、何か『明智光秀』の生存説をほのめかすような終わり方も見せて、『明智光秀=天海』を彷彿とさせるようなシーンも最終回より少し前くらいからあったのも、歴史好き・戦国時代好きにはロマンを与えたような作品だったと思います。
そんな大河ドラマ『麒麟がくる』でしたが、実は『明智光秀』の菩提寺となる寺院に本当に『麒麟』が装飾されていたのをご存知でしょうか。
その寺院とは滋賀県坂本にある『西教寺(さいきょうじ)』になります。
ここは、比叡山の麓にある寺院で、『比叡山焼き打ち』の際に、焼失してしまいました。
しかし、その後『光秀』によって再興され、妻の『内子(ひろこ)』や明智家の一族の菩提寺となり、『光秀』の供養塔もあります。
ちなみに、この麒麟を見つけて受付に申告すると、御朱印に特別の金印で「解明の証」を押印してくれるそうですので是非行ってみたいものですね。
そしてそんな『西教寺』ですが、『光秀』と深く関係のあったのと、比叡山の麓にあっただけに『天台宗』が宗派となっています。
その中でも、戒律と念仏を特に重視する『天台宗真盛派』として、現在は約400以上の末寺の総本山となっています。
また、総門も坂本城から移築したと伝わっており、『光秀』からいかに信仰があったかが見受けられます。
その後、江戸時代になると他の『天台宗』系の寺院と同じく、ある寺院の支配下になります。
その寺院とは。
『日光輪王寺』
(↑上写真は『日光山輪王寺』ホームページから引用。)
そして、この時に住職に就いていたのが、何を隠そう『天海』なのです。
ここで『明智光秀=天海』という都市伝説が繋がってきましたね。
さらに、日光で一番眺めが良い場所。
その場所を命名したのは『天海』と伝わっています。
そして、その場所の名前は。
『明智平(あけちだいら)』
また、「大阪城」には『天海』が所有していたと伝わる甲冑が所蔵されています。
そして、そこにはなんと『麒麟』が装飾されているのです。
完全に繋がりましたね!
『麒麟』とは泰平(平和な世の中)に現れる獣類になります。
戦国という乱世を平和な世の中にしたいと思いを『麒麟』を用いてあらわされていたんですね。
さて、先程『日光輪王寺』の住職が『天海』という話をしましたが、現在は『日光の寺社』として2社1寺が『世界遺産』となっています。
その残りの2社とは、『日光東照宮』と『二荒日光神社』になります。
『日光東照宮』とは言わずと知れた『徳川家康』を神格化し『東照大権現』を祀っている神社になります。
また『日光二荒神社』は「日光三山(男体山・女峰山・太郎山)」を御神体とし、さらに『大国主神・妻の田心姫命(タキリビメ)・子の阿遅鉏高日子根命(アヂスキタカヒコネ)』が主祭神になっています。
ここで少し、面白い話を。
「二荒(ふたあら)」は訓読みですが、音読みにすると「にっこう」となり、ここから同じ読み方の縁起の良い「日」と「光」をあてて「日光(にっこう)」になったんです。
そして、これを考えたのも『天海』。
また、3代将軍「家光」の霊廟がある『日光山輪王寺 大猷院』の仁王門には口の開いた『阿形(あぎょう)』と、口の閉じた『吽形(うんぎょう)』が安置されており、ここから『阿吽の呼吸』ということばが生まれました。
さらに、奥に進み霊廟を守る夜叉門には、4体の夜叉が守護しており、その中でも『烏摩勒伽(うまろきゃ)』は全国的にも珍しく、その容姿は膝に像がいることから『膝小僧(ひざこぞう)』ということばが生まれました。
江戸時代にたくさんの言葉が生まれた中で、「家康・家光」の霊廟からというのが、いかに江戸庶民から親しまれていたことが分かりますね。
話は戻しまして、『日光東照宮』の表門には像と像と『漠』の彫刻があります。
この『漠』というのも伝説上の神獣で、悪夢を食べてくれたり、鉄や銅を食料にしていることから、こちらも平和な世の中にしか生きていけないとされている神獣です。
戦乱の世では、武器や甲冑など鉄や銅を使っているので、食料が無くなってしますもんね。
また、奥宮である「家康」の霊廟には「鶴亀」があります。
この「鶴亀」が「鶴」は空を飛ぶことから『天』。
「亀」は海で泳いでいることから『海』となり、両方を合わせると、こちらも『天海』となるのです。
「鶴は千年、亀は万年」とおめでたい言葉もここから来ているんですね。
「泰平の世」だからこそ、なし得る長生きを。
最後にまた少しは変わりますが、『明智光秀』の菩提寺となっている『西教寺』。
この場所は滋賀県坂本にあると言うことをお伝えしました。
ここで何か、気づいた点はございませんか?
そうです。
実は、『龍馬』の祖先は坂本出身であり、『豊臣秀吉』と戦った『山崎の合戦』後に、『光秀』と親交のあった『長宗我部氏』を頼って、高知県に移ったという説があるのです。
その後、「江戸時代」も幕末となり『龍馬』の活躍によって『薩長同盟』が結ばれて「江戸幕府」は解体。
約700年続いた武士の時代は終止符をうち、近代国家として「明治」の時代へと変わっていくのです。
そして、その『龍馬』の功績を残すために『トーマス・グラバー』と『三菱』の創業者・『岩崎弥太郎』の弟で、2代目社長の『岩崎弥之助』が「キリンビール」の創設に尽力するのです。
そのロゴマークを顔が「龍」、身体が「馬」の神獣をモチーフにして。
(↑上記は『キリンビール株式会社』から引用)
そう考えると『麒麟』がくる時にはいつも、新た時代への始まりなのかもしれませんね。
そして、新時代の幕開けをもし知っていながらこの題名にしていたとしたら。
そこまでは分かりませんが、都市伝説ファンとしても中々興味深いと思います。
今年の大河ドラマは2月14日の『バレンタインデー』からになり、主人公は次の新一万円札の肖像になっている『渋沢栄一』です。
どのような物語になっていくかが楽しみです。
『龍馬』も出てくると思いますからね。