さて、前回は長野県にある戸隠神社から善光寺が渡来人(百済系)の人々によって形成されていたと言うのとスサノオが百済系で、アマテラス・ツキヨミは新羅系と言う話をしましたが、今回はもう一つのスサノオの有名な神話から紐解いて行こうと思います。
前回の記事を読んで下さった方々はもうお分りでしょうし、色々な漫画やアニメなどにも題材として登場する『八岐大蛇(ヤマタノオロチ )』の神話のお話です。
簡単な説明になりますが、高天原を追放されたスサノオは出雲国の肥河(現島根県斐伊川)の上流に降りたちました。その時川の方で泣いている老夫婦が美しい女性の間で泣いていました。この美しい女性はクシナダヒメです。そしてなぜ泣いているのか尋ねると、老夫婦には元々8人の娘がいて、年に一度8本の尾と8つの頭を持った巨大な怪物、ヤマタノオロチに娘を1人ずつ食べられてしまったのです。そしてその怪物がまた来る時期に近づき、最後に残った末娘のクシナダヒメも食べられてしまうと泣いていたと言うです。
それを聞いたスサノオは「クシナダヒメと結婚する代わりにヤマタノオロチを退治する」と言い、老夫婦は喜んでこの条件を承諾しました。
まず、スサノオは神通力でクシナダヒメの形を櫛(くし)に変えて、自分の髪に挿しました。そして老夫婦に強い酒(八塩折之酒)を作らせて8つ、門を作り、それぞれに酒を満タンにした酒桶を置くように言いました。準備して待っているとヤマタノオロチがやってきて、8つの頭がそれぞれの酒桶に酒を飲み出しました。するとヤマタノオロチは酔て寝てしまいその間にスサノオは十拳剣で切り刻みました。そして、尾を斬った時に剣が少し欠け、尾の中から太刀が出て来ました。
そしてこの太刀をアマテラスに献上しました。この太刀こそが熱田神宮に祀られている三種の神器の一つでもある『草薙剣』です。
その後、ヤマタノオロチを退治したスサノオは櫛となったクシナダヒメと暮らす場所を求めて出雲の根之堅洲国(現・島根県安来市)の須賀の地へ行き『八雲立つ 八雲八重づき妻籠みに 八重垣作る その八重垣を』と詠みました。
何か、2人の新(婚)生活には壮大な夢や希望に満ち溢れている様な和歌ですね。
そしてこの和歌は日本最古の和歌でもあります。
スサノオは高い技術(製鉄をし、剣を作り出す)と教養を持った優れた人物と言うのも伺える作品です。
なぜ高い技術と言うかと言うと、この肥川(斐伊川)も砂鉄が採れ、ここも百済の人々が鉄を作っていたと言うのです。また、土木の技術もあったと言うので、ヤマタノオロチを退治と言うのは実は、百済の人々が大河の整備を上流の方でしていてそこから砂鉄を採り剣や武具などの製鉄品を作っていた。
そして、良い太刀が出来たと言うことでアマテラス(新羅系の人々)に献上し、認められて出雲国を建国したと言う考えに達しました。
そうなると、『八雲立つ〜』の和歌の意味が余計夢や希望に満ち溢れたものになっていたと言うことも分かります。
さて、少し長くなってしまったので今回はここまでにして、次回はもう少しだけスサノオのお話と伊勢神宮(内宮)のお話をしたいと思います。いけるかなぁ〜^^;笑