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『世界最古の国』日本

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酒呑童子

2022年の4月からの春クールで、『妖怪シェアハウス』の第2シーズンが始まりました。

 

 

 

 

 

昨今の、混沌とした何が起こるか全く予測が出来ない世界情勢の中で、『日本人』は古来から、人間の理解の出来ない超常現象や未確認生物などを、不思議で分からないものとして恐怖を感じ、それらを称して『妖怪』と呼んでいました。

 

 

 

 

中でも、『日本』の『妖怪』で最も有名なのが『鬼』。

 

 

 

 

鬼滅の刃』や、『節分』など一番親しみのある『妖怪』のひとつだと言えます。

 

 

 

 

そして、『鬼』の総大将となるのが『酒呑童子』となります。

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(上記は『大江山酒呑童子源頼光主従』 「歌川芳艶」作 より引用。)

 

 

 

 

酒呑童子』は『平安時代』の中期、『一条天皇』の時代、京の都で若い男性や姫君などが次々と神隠しにあったように消えてしまうと言う事件がありました。

 

 

 

 

そんな中で『安倍晴明』がその正体を占ったところ、『酒呑童子』の仕業だと分かったのです。

 

 

 

直ちに、『一条天皇』が「源頼光」などに征伐に向かわせ、大江山に向かうと、自分を成敗しに来たと言う情報を知っていた『酒呑童子』は警戒しました。

 

 

 

なんとか警戒を解いて、『酒呑童子』と酒を酌み交わしたところ、『酒呑童子』はたくさんの身の上話を始めます。

 

 

 

そんな中、「源頼光」が『八幡大菩薩』から授かった『神変奇特酒(神便鬼毒酒)』という、鬼に効く酒を飲ませ、『酒呑童子』の寝所を襲って、首をはねました。

 

 

 

 

そんな、寝所を襲われ首をはねられた『酒呑童子』の生首はなおも、「源頼光」の兜を噛み付いたが、従っていた『頼光四天王』のおかげで難を逃れ、ようやく成敗出来ました。

 

 

 

 

酒呑童子』を成敗した「源頼光」と『頼光四天王』一行は、『酒呑童子』の生首を京の都に持ち帰り、『一条天皇』に献上。

 

 

 

 

その後、『酒呑童子』の生首かどうかを調べた末に「宇治」にある『平等院』の宝蔵に納められたとなっています。

 

 

 

 

 

ここで面白いのは、なぜ『平等院』に『酒呑童子』の生首を納めたかということ。

 

 

 

 

それは、まず敵将である『酒呑童子』の生首を戦勝品としての価値があるということ。

 

 

 

 

そして、『平等院』がそんな恐ろしい『妖怪』の霊力ですら、『神仏の加護』によって治めることが出来ると言うアピールになっているからです。

 

 

 

 

一条天皇』の時代は『摂関政治』の最盛期である『藤原道長・頼通』親子が活躍した時代。

 

 

 

 

 

そうした背景からも、いかに『藤原道長・頼通』親子が権力を持っていたか、そして『平等院』がその権力の代表的な寺院として建立、伝承されていったかという『日本』の歴史がここでも分かるのです。

 

 

 

 

 

また、『酒呑童子』を征伐命を出した『一条天皇』の皇后は『藤原定子』です。

 

 

 

 

 

その宮廷女房となっていたのが、あの『枕草子』で有名な『清少納言』。

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(上記は『枕草子枕草子絵詞)』三巻本130段 『清少納言』作 より引用。)

 

 

 

 

枕草子』とは『日本三大随筆』のひとつとして、『日本人』なら誰もが一度は耳にしたことがある随筆になります。

(随筆とは、筆者の体験談や読書などをもとに思想などをまとめた、今でいうエッセーのこと。)

 

 

 

 

 

そして、『酒呑童子』が元々住んでいた比叡山に後から入ってきた『最澄』から追い出され、その高野山に行ったが、『空海』に追い出され大江山にたどり着いたとなっています。

 

 

 

 

 

という事は、現在『聖地』となっている山は『酒呑童子』が選んでいたこととなり、それを『最澄』・『空海』に奪われたということになります。

 

 

 

 

これを聞くと少し、同情してしまうのが『酒呑童子』の伝説(物語)の良いところでもあります。

 

 

 

 

事実、『最澄』が建立した『比叡山 延暦寺』は『京都御所』の『鬼門』の方角に位置しています。

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また、『空海』の建立した『高野山 金剛峯寺』は『京都御所』や『伊勢神宮』の『裏鬼門』と位置しています。

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このことからも、『陰陽道』で最も重要な方角に『聖地』を置いていること、そしてそこには『鬼』の総大将でもある『酒呑童子』がおり、最終的には大江山に移り成敗されるのですが、この大江山自体も、『鬼』の伝承が他にも2つあるような『鬼』と深く繋がりのある山となっていることが分かります。

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というのも、大江山は鉱山としてたくさんの富をなしており、『太平洋戦争』では兵器には不可欠な『ニッケル』が採取出来る山でした。

 

 

 

 

 

そうした鉱山の採取技術に昔から長けて、富を得ていた『渡来人』たちに目をつけ、自分達のものだというのを正当化しようとした、『朝廷』が、『鬼(悪)』としたという説があるのです。

 

 

 

 

 

古事記』や『日本書紀』でも有名な『スサノオ』と『八岐大蛇』と戦いでも、その大元は『渡来人』である『スサノオ』(新羅系渡来人の長)が、幾多にも枝分かれをしている大河(『八岐大蛇』)を整備して、製鉄をしていた。

 

 

 

新羅系渡来人は製鉄業に長けていて、そこから「剣」などの武具を作り、のちの『朝廷』となる部族に献上していたという説があります。

 

 

 

『八岐大蛇』を倒してその胴体から出てきた『草薙剣』を『アマテラス』に献上した『スサノオ』。

 

 

 

 

全てが繋がってくるでしょう⁉︎

 

 

 

 

また、『酒呑童子』の父は『八岐大蛇』だという伝承も残っています。

 

 

 

 

だから、両者とも「酒好き」で「酒」によって征伐されているんですね。

 

 

 

 

『酒は呑んでも呑まれるな!』とは、昔からの言い伝えというのが、ここからも分かってきますね。

 

 

 

 

 

さらには『酒呑童子』を討ち、生首を斬り落とした太刀は現在『国宝』として、『東京国立美術館』に所蔵されています。

 

 

 

 

 

 

その太刀の名は『童子切』。

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(上記は『童子切』 『東京国立美術館』所蔵 より引用。)

 

 

 

 

 

『天下五剣』のひとつで、『大包平』とともに、「日本刀の両横綱」と称されるほど、最も優れた名刀となっています。

 

 

 

 

 

そして、この名刀『童子切』は足利将軍家に伝わり、その後「豊臣秀吉」、「徳川家康」、「徳川秀忠」そして、兄弟である「松平家津山藩」へと継承され、現在に至っています。

 

 

 

 

 

そして、「源頼光」とは「源頼朝」や「源義経」など『鎌倉幕府』の中心となった『源氏』や、「足利将軍家」の祖である「源頼信」の兄。

 

 

 

 

このように、歴史は繋がっているのです。

 

 

 

 

やはり、『日本』とは面白いですよね。

 

 

 

 

 

そんな見た目や言動は恐いが少し可哀想な一面も持ち合わせている『鬼』の総大将・『酒呑童子』。

 

 

 

 

 

もしかしたら、『鬼』というのは、本来はその地に住む善良な人間で『朝廷』側の都合の良いように正当化され、征伐された悲しい一族なのかもしれませんね。