先日、茨城県にある『大杉神社』に参拝してきました。
この神社は関東地方や東北地方に数多くある『大杉神社』の総本宮として、また『日本で唯一の夢むすび大明神』となっている神社です。
また、『あんばさま』として現在でも人々の信仰を集める神社となっており、境内には『勝馬神社』があるなど、競馬ファンにもそのご利益を頂くために、参拝者が多い神社となっています。
他にも見どころがたくさんある『大杉神社』ですが、なんと言ってもまずは最初の一の鳥居です。
この鳥居の横には『ねがい天狗』・『かない天狗』と呼ばれるものがあります。
これは、今から約800年ほどまえに「源義経」の家来であった「常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)と言う僧が社僧を務めていました。
この「常陸坊海尊」の容姿は目が青く、鼻も高く、髭も紫色だったと伝わっています。
まさに、『天狗』の容姿ですね。
そんな「常陸坊海尊」は不思議な力を持っており、多くの人の病を治したり、奇跡を起こしました。
いつしか、「海尊」は大杉大明神の御神徳を彼を通じて願を叶えてくれると言う信仰が広まり、また「海尊」の容姿が天狗に似ているというところと、天狗は『大杉大明神』の使者とみなされるようになったことから、この像を通して『天狗信仰』が生まれました。
そして、鼻高天狗は『ねがい天狗』・烏天狗は『かない天狗』として役割を果たし、願いを叶えてもらえると言うことから『日本唯一の夢むすび大明神』となりました。
さて、『大杉神社』の主祭神は『大物主大神(おおものぬしのおおかみ)』になります。
『大物主大神』は『大国主神命(おおくにぬしのかみ)』の和魂(神は2つの側面をもっており、荒魂は荒々しい側面を、和魂は平和的な優しい側面をもっている。ひとでも一緒ですよね。)となっています。
また『大物主大神』の神格としては『国造りの神』・『蛇神』となっています。
配祀には『大国主神命』・『少彦名神命』が祀られてあり、この2柱がいわゆる『国造り』をした神々になります。
こちらも神格は『国造りの神』・『国造り協力の神』となっています。
そして『大物主大神』・『大国主神命』は『国津神』=出雲系の神となっているのと、『少彦名命』は『天津神』=ヤマト政権系になっていますが、主祭神が『大物主大神』が出雲系の神というのが、この土地の特徴でもあります。
というのは、近くに別名『坂東太郎(ばんどうたろう)』と呼ばれ、日本三大暴れ川のひとつ、『利根川』が流れているからです。
出雲系といえば、代表的な神は『三貴神』の一柱の『素戔嗚尊(スサノオノミコト)』です。
『素戔嗚尊』は『ヤマタノオロチ 』を倒しその土地の人々を助けたという話が有名ですよね。
その『ヤマタノオロチ 』のからだから『三種の神器』のひとつ、『草薙剣』を見つけ、『天照大御神』に奉上し、その後出雲の国を平定していったとなるわけですが、実はこれはある川を整備したという話を神話にしたのです。
『素戔嗚尊』は出雲系=百済系の一族であり、百済系の一族は川を整備し、そこから鉄を採取し剣や鉾などを生産するのにたけている一族でした。
当時はまだ川、とくに大河を整備する技術が『日本』にはありませんでした。
そうなると毎回、大河は氾濫してそこに住む人々は困り果てますよね。
そこで、百済系の一族がこの大河を整備しました。
大河は小さな川がいくつもが重なって最終的に大河になりますよね。
その大河を『ヤマタノオロチ 』と比喩したのです。
小さな川を首、それが繋がった大河を胴体とみたてて。
また、整備し終えた川から鉄を採取し、それから剣などを生産し、敵国・もしくは同盟国であったヤマト政権側(新羅系の一族)にここで作った剣(草薙剣)を献上し、この地(出雲国)を収めることを許されることになったのです。
そして、この百済系の一族のリーダーだった人物をのちに『素戔嗚尊』としたのです。
さて、この氾濫するたびにこの地の人々をくるしめていた大河の名前。
それは。
『斐伊川(ひいかわ)』です。
そして、関東地方を流れる『荒川』付近にはある神社が数多くあります。
その神社の名前は。
『氷川神社(ひかわじんじゃ)』。
その総本宮は埼玉県にある、『武蔵国一宮 氷川神社』になります。
『荒川』という名前からもわかるように、昔は氾濫を繰り返していました。
この川を整備したのが百済系の人々だったとは言うまでもなく、そこからかつてリーダーであり崇拝されていた『素戔嗚尊』を主祭神に、『斐伊川(ひいかわ)』という名から『氷川神社(ひかわじんじゃ)』としたのです。
そして、『素戔嗚尊』の6世孫にあたり、『素戔嗚尊』の娘と結婚したのが、『大国主神命』になります。
その和魂が『大物主大神』になるのです。
このように、川など水に関係している土地の近くには『国津神』が祀られていることが多くあります。
神社の主祭神をみて、『天津神』・『国津神』とあるのに注目し、その周辺の土地を見てみると、また新たな発見があるかもしれませんね。