朝晩が冷え込む季節となり、出勤・帰宅の際に立ち寄るコンビニ。
中でも、目を惹くのが『肉まん』のブースではないでしょうか?
【出典:『Amazon』より。
「新宿 中村屋 肉まん20コ入【個包装】(5コ入袋×4袋) 冷凍 中華まん まとめ買い」
2023年10月13日利用。】
あの、水滴が纏った保温器を開けるとモクモクと美味しい香りがレジ前に漂うのが、『食』の欲求を『脳』が刺激します。
そんな『肉まん』ですが、皆さんは普段どのように呼称しているでしょうか?
『関東』では『肉まん』、『関西』では『豚まん』と呼ばれている割合が多い、珍しいこの食べ物。
一体、なぜ中身の具材は「豚」を使っているのに、そんなにも呼び方が違うかを皆さんはご存知ですか?
答えは簡単。
『関東』と『関西』の文化の違いにあったのです。
どういう事かと言うと、『関東』は『鎌倉幕府』以降、武士の社会。
だから、基本的に乗り物や農耕に「馬」を使っていました。
「武将が馬に乗って大暴れする!」あのイメージです。
https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009050427_00000
2023年10月13日利用。】
甲冑を着けた武将を乗せて、戦場を駆けられるくらい強い馬の力を上手く利用して、田畑の作物を栽培するに当たっていたんですね。
ちなみに現在、車やバイクなどに用いられる『馬力』とは、これが由来している言葉です。
逆に『関西』はと言うと、古来から『貴族』の社会。
「貴族が牛車でゆっくりと優雅に移動する!」そんなイメージです。
【出典:『京都観光オフィシャルサイト 京都観光Navi』より。
https://ja.kyoto.travel/event/major/aoi/understand.php
2023年10月13日利用。】
人を乗せた車を「牛」の力で動かせるくらいパワーがある事から、『関西』では「牛」が農耕に適した動物でした。
そんなお互いの文化も『開国』後、異文化の影響により、それまで『仏教』の影響によって1200年余り「食肉」の禁止をされていた風習も解禁。
それから動物の肉を食べる文化が『日本』で広まってきました。
元来、「牛」に馴染みがあり、さらに『神戸』の『開国』以来、外国人居留者が「牛肉」を求めるようになったきっかけで、『関西』では「肉=牛」が普及。
「肉うどん」も「肉吸い」も「牛肉」ですよね!
だから「肉=牛」なので、「豚」を使った『中華まん』をあえて『豚まん』と言うようになったのです。
逆に『関東』では元来、「牛」に馴染みがありましたが、『明治』になり『首都圏』でより飼育の簡単な養豚場がいくつも出来、そのうちに「豚」が浸透していきました。
だから「肉=豚」となっていき、『中華まん』もそのまま『肉まん』と言うようになったんです。
ちなみに「お袋の味」として代表的な「肉じゃが」も、『関東』では「豚」が主流で、『関西』では「牛」が主流となっています。
このように地域によっても具材や呼称の違う1つの食べ物ですが、その歴史的背景を調べていくと、いかにその土地の風土を現在にまで守り語り継げてきていたかが分かります。
古来よりこんな事が出来る国は、『日本』だけ…。