いよいよ令和5年も年が明けました。
待ちに待った『お正月』。
謹んで新年をお祝い致します。
我が家でも小さいながらしっかりと、『お正月』の風習に則り、飾付けをさせてもらいました。
『お正月』と言えば『除夜の鐘』からの『初日の出』。
そして『初詣』。
『神社参拝』で去年の感謝と、今年の挨拶を済ませて、『御神酒』を戴くと言うのが通年行事。
そのあと、『御神籤(おみくじ)』や『御守り』を授かり、実家に帰って親子3代で『お屠蘇』・『おせち料理』を楽しみながら、子供たちは『御囃子』を見に行く。
これをお昼過ぎまで楽しみ、少し昼寝をして今度は我が家で夜は『お寿司』を頼んで、皆んなでワイワイと過ごすのが毎年の恒例です。
さて、新年の挨拶にはさまざまな言い方があります。
例えば、『謹賀新年』や『恭賀新年』などの4文字と、『賀正』・『迎春』・『新春』などの2文字。
さらには『寿』・『福』・『賀』などの1文字。
実は、これ全部を総称として『賀詞(がし)』と呼ぶのが『正式名称』となります。
意味は、
『謹賀新年』→「謹んで新年をお祝い致します。」
『恭賀新年』→「恭しく新年をお祝い致します。」
(こちらは『神仏』に対しても使う事があるくらい丁寧で礼儀正しく、敬意をもって使う表現。)
『賀正』→「正月をお祝いします。」
『迎春』→「新年を迎えましたね。」
『新春』→「新しい年ですね。」
『賀』・『寿』・『福』などはどれも称して→「めでたい日ですね。」
となります。
ここまで話して勘の良い方はお気付きでしょうが、この言い回し(使い方)にははっきりと分けられているんです。
それが分かるのが文字数。
4文字の場合は「目上の人に対して、目下の人」が使う表現。
2文字や1文字は、「目上の人が、目下の人に対して」使う表現。
『年賀状』を出す時も相手に対して、『新年早々』失礼のないように気をつけなければいけませんね。
それからもうひとつ。
『元日と『元旦』の違いです。
これも実は正確には少し違いがあるんです。
『元日』はその字からみても「最初の日」、すなわち「1月1日」を表現しています。
『元旦』の「旦」の字は、地平線から日が昇ってきている様子を表現しているので、転じて「朝」、すなわち「1月1日の朝(午前中)」と言うことになります。
「元旦営業スーパー」ってのは、1月1日の朝から営業しているスーパーってことですね。
ちなみに私の知る限りだとほとんどのスーパーやデパートが1月1日をお休みにしているのは、ちゃんと理由があるんです。
その理由と言うのが、『江戸時代』の商家では『大晦日』に町人たちなどからの『ツケ』を回収して回っていました。
(上記は『都名所駿河町之図』歌川広重(初代)画 天保年間(1830-44) 国立国会図書館所蔵 より引用。)
現在では考えられないシステムですが、1年に2回、『お盆』と『大晦日』に商家など「貸す側」はツケを回収し、町人や武士など「借りる側」はツケを支払っていたんです。
そして、この日を過ぎると『お盆』だと次の『大晦日』に、『大晦日』だと次の年の『お盆』まで、そのツケも回収出来ないというシステムだったんです。
だから、商家は『大晦日』は一家総出で回収に当たります。
日付けが変わる直前までその回収をやり、その後に集計をする訳ですから、『夜通し』起きてることになります。
そんな寝不足の状態では仕事なんてできませんよね?
だから、『元日』はお休みとなったんです。
逆に『元日』から営業しているような商家は、忙しくない店だと言っているようなものというのが風習となり、それが現代でも長く続く伝統となっているのです。
だから、「『元日』にも、店を開けろよ!」なんて思っちゃいけないんですよ。
こっちにも大切な家族はいるし、相手にも大切な家族がいるんですから。
みんな、『元日』くらい休みたいでしょ?
やっぱり、昔から『元日』くらいは家族全員でぐうたら過ごすのが当たり前で、それがむしろ良いとされていたんですね。
ちなみに昔から、『元日』にお金を使うとその年1年はお金が溜まらないと言われています。
『御賽銭』や『初穂料』などは別ですけどね。
だから『御神籤』で1年の運勢を占うのは良き風習なんです。
ここでウンチクを1つ。
『御神籤』を引くと表には『大吉』などが裏には『神の教』などが書いてありますが、実は裏側の方が重要で、その詞を肝に銘じて1年間生活するのが良いそうです。
なんでも、『表と裏』があり、実は『裏』こそが実体でそちら側の方が重要だと言うことですね。
それを成す為に『表』がある。
まさに『表裏一体』。
今の世の中だ…。
去年はあまり良くない事が多かった年だったような気がしますが、今年こそは良い年にしたいですね。
『平和=和』の国の人たちなんですから、私たちは。
それで皆さん、改めて。
「明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。」