2023年も9月が下旬へと近づき、『敬老の日』・『秋分の日』と祝日が続くことから『シルバーウィーク』へとなります。
また、運動会や行楽シーズンへと近づき人と集まる行事が多くなってくる季節へとなりました。
そんな時、老若男女に好かれるのが『一食完結型』のお弁当。
なかでも食欲旺盛な子供や大人には、『のり弁』が提供されたらテンションの上がるお弁当のひとつでは無いでしょうか?
現在では、コンビニや手作り弁当としても定番となっている『のり弁』。
実は、あるお弁当屋さんによって開発され、それが全国に広まったと言う事をご存知ですか?
【出典:『ほっかほっか亭』公式サイトより『のり弁』。
https://www.hokkahokka-tei.jp/menu/012/012_nori_b_et/?pref=13
2023年9月15日利用。】
現在では当たり前になっている、お米の上におかかがのり、海苔で蓋をして醤油を垂らしたご飯。
さらにその上に白身魚とちくわ天。
箸休めに、きんぴらごぼうや玉子焼きなどのがひとつになっているのが『ザ・のり弁』と言うイメージです。
でも、これ色んな試行錯誤の末に辿り着いた画期的なお弁当だったんです。
戦後まだ間もないころの『日本』はまだ、白米が中々手に入れることが出来ずに麦米を食べて暮らしていました。
その後、昭和30年代になるとようやく一般家庭でも白米が浸透していき、時を同じくして『高度成長期時代』へと差し掛かります。
そんな時に、家から持っていくお弁当と言えば、初めは白米に梅干しだけのいわゆる『日の丸弁当』。
https://www.mistore.jp/shopping/product/0000000000014631.html
2023年9月15日利用。】
より、痛みにくい物へと浸透していったのが、当時既に手に入れやすくなった海苔や醤油・おかか。
いわゆる『ねこまんまご飯』です。
これがサラリーマンや子供達に一般化していき、ご飯の上に乗せるおかずのアレンジが様々に生まれていきました。
中でも人気な物は焼き鮭やコロッケなど。
外に出て働き詰めているお父さんや食べ盛りの子供達へと、お弁当が傷まずにさらにお腹いっぱい食べられる物へと、お母さんの愛情から生まれたお弁当だったんですね。
これを、『ほっかほっか亭』の創業者がさらに改良を加えて販売したのが、現在の『のり弁』であり、その『のり弁』のイメージを作り上げました。
ただ、始めは現在では定番化している白身魚のフライでは無く、焼魚をご飯の上に上げていたそうです。
素早く提供しなければいけないお弁当に焼魚というのは、効率が悪く、当時『冷凍食品』の技術が進化した事から、冷凍の白身魚をフライにしたものが採用されていきました。
この時に、上に乗せる具材に当時人気のコロッケやメンチカツも採用されたそうですが、元々ご飯に醤油がかかっているうえに、コロッケやメンチカツにはソースをかけて食べるのが一般的なので、合わなかったようです。
それに引き換え、白身魚のフライにはタルタルソースだったために、ご飯に流れずに食べる事が出来た為、どちらも混ざり合わずに食べれる点が良いとなり、白身魚のフライが定着していきました。
(※ただし、現在ではタルタルソースかマヨ醤油を選べる事が出来ます。)
また、より豪華さをアップさせる為に、既に完成されたちくわを半分に切って、あおさを混ぜた天ぷら粉に潜らせて揚げるだけの簡単な作業の、ちくわ天(磯辺揚げ)が採用されるようになり、『のり弁』界の不動のツートップが揃い組となりました。
現在では、その進化はさらに進んでおり、唐揚げやコロッケなどを別添えとなって一緒に美味しく食べれるような商品もたくさん存在しています。
このように、戦後の『昭和』・『平成』と現代の『令和』と言う怒涛の時代を『食』として『日本人』を支えてきた『のり弁』。
今秋に是非、ご賞味あれ!
ちなみに個人的には『のり弁』をつまみに『日本酒』を呑むのが此上無い楽しみのひとつです。
醤油のかかった海苔おかかご飯だけで、コップ3杯は行けますね!
これにアレンジでわさびをちょい足しすると味変にもなって最高のつまみですよ!