明日で、2022年(令和4年)も最後の日となります。
スーパーやデパ地下では、『大晦日』・『元旦』に合わせて、最後の売り尽くしに全力を出しています。
『豊洲市場』も今日で最後の営業日と言うことで安売りをしているため、今日が一番新鮮で安いんです。
だから、全力で売り尽くしセールをしているんですね。
さて、そんな年の瀬で、皆さんは『東のサケ・西のブリ』と言われている『歳取り魚』と言うのをご存知ですか?
これは、『大晦日』に『年神様』を迎える為のお供え物として欠かせない、『縁起物』です。
その魚というのが、『東のサケ・西のブリ』。
(上記は『八面六臂』公式サイトより引用。)
今みたいな冷蔵技術が発展していないその昔、魚を食べることが出来るのは、『正月』くらいのものでした。
特に海の無い地域では、保存が出来るように『塩漬け』にして。
そしてここで面白いのが、『糸魚川静岡構造線』を境に『東のサケ・西のブリ』に分かれているということ。
(上記の青線、西側の境界線が『糸魚川静岡構造線』。)
地質学上、この青線を境に『西南日本』と『東北日本』が分断されており、ここが『ユーラシアプレート』と『北アメリカプレート』の境界線であるという見解もあります。
ちなみに東側は『新発田小出構造線及び柏崎千葉構造線』が定説となっており、この間の面が『フォッサマグナ』と呼ばれています。
話は戻しまして、この『糸魚川静岡構造線』上にある位置する『長野県』では大雑把に分けて、東側を「長野市」・西側を「松本市」を境に『東のサケ・西のブリ』となります。
(上記は『Googleマップ』より引用。)
その理由は定かではありませんが、「栄える=サケ」と「出世魚=ブリ」と言うのは現在でも『験担ぎ』としてよく用いられる『縁起物』で、共に『塩漬け』となっているんです。
(上記は左側が『鮭の新巻』・右側が『鰤の新巻』)
これを切り分けて『焼き魚』にして、お供え物・そして家族全員で一年を祝うんです。
(上記は『鰤の塩焼き』 『ミツカングループ』公式ホームページより引用。)
(上記は『鮭の塩焼き』 『ふるさと産直村』公式サイトより引用。)
鮭は9月から11月・鰤は11月から2月が旬のシーズンです。
『塩漬け』にして、余分な水分も抑えられ脂ののったこの魚たちを食べる最適なシーズンが、ちょうど『正月』に不思議となっているんですね。
この他にも『山形県』では『鯉』を輪切りにして醤油や味醂・砂糖で煮付けた『鯉のうま煮』や『鯛の塩焼き』など地方によってさまざまなです。
(上記は『鯉のうま煮』 出典:『農林水産省』webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/koinomani_yamagata.html)より引用。)
これは、1802年『米沢藩』の9代目藩主、『上杉鷹山』公が内陸で海産物が手に入りにくいこの『米沢』の地に、『滋養』の強い『鯉』の養殖を推奨したことがきっかけとなり、定着したものとなります。
文化や地理の違いによって、先人たちの知恵が活かされた伝統料理なんですね、全ては。
このように、さまざまな地域によって異なる魚を使い、『正月』を祝う風習。
これからもその伝統を守り続けていかなければいけません。
『和の国』である『和食』を。