4月1日から「新年度」を迎え、新たな出会いや新しい場所で希望や不安が重なっている方も多いと思います。
特に、今年の「新年度」は新型コロナウイルスを丸々1年以上経験した、新しいかたちの「新年度」になっていると思います。
でも、4月に「新年度」を迎えるという『日本』は世界的に見ても、なかなか珍しいんです。
『イギリス』や『アメリカ』ではほとんどが9月スタートが一般的です。
では、なぜこのような違いになったのか。
それは、その国その国の生活スタイルに由来しています。
例えば、『ヨーロッパ』は寒冷地が多く、陸続きであるために、寒さに強い「小麦」が主食となっています。
また、大陸続きであるために古代から動物を狩って肉を食べるという、いわゆる「狩猟民族」でした。
どこに行っても動物がいて、狩りさえすれば食べられるます。
そして主食である「小麦」は、寒さ・乾燥にも強い植物です。
だから、秋に種まきをし、5月〜6月までの初夏が収穫時期を迎えるのがほとんどなんです。
また、牧畜では夏のうちに草を刈って干し草にしなければいけません。
寒冷地や乾燥地では、夏は青々とした草が生えますが、冬になったらその草も無くなってしまい、牧畜が食べるエサが無くってしまいます。
そうなると、ヒトが食べるものも無くなってしまいますもんね。
特に肉や乳といったタンパク源が無くなってしまうと、厳しい冬の気候では耐えていくことが出来ない。
だから、夏の時期に草を刈り、来たる冬にそなえて牧畜のエサとなる干し草を確保しとく必要があったんです。
現代のように農作業用の道具が発達していなかった時代、農家はそのシーズンになると、こどもたちを含めて親族など総出で、この仕事に励んでいました。
そして、ちょうどこの仕事が一段落終えた時期である9月にこどもたちの「新年度」を迎えるのにちょうど良かったんです。
こどもたちに勉強をさせてあげたい「親心」とライフスタイルを合わせた『ヨーロッパ』などを含めた大陸独自の文化だったんですね。
逆に我が国『日本』は島国で、「江戸時代」は肉を食べることを禁じており、さらには税金(年貢)は「米」で納めていました。
明治になってからも多くはまだ第一産業の農業が大半を占めており、「米」をお金に換金して、税金を納めていました。
「米」をお金に換える作業は大変な上に、量も多い分時間もかかります。
さらに、田植えの時期は5月〜6月にかけて行い9月〜10月に収穫時期になります。
この時期はやはり人手不足となるために、こどもたちを含め、親族総出で作業をしなければいけないので、ちょうど空いている4月にやるようになったんです。
これも『日本』のライフスタイルに合わせた独自の文化だったんですね。
『日本』はちょうど桜の時期にもなり、気持ちも良い時期になります。
気分も一新して、その年を良い年にしたいですね!