皆さんはこの題名にもある『土用 辰の日』と言うのがあるのをご存知でしょうか?
一般的で有名な『土用 丑の日』は夏バテ予防にと『鰻』を食べる習慣が広く広まっていますよね。
実はこの『土用 丑の日』は『立秋』まえの18日〜19日前の『丑の日』のことを指しています。
と言うことは、他の季節にもあるんじゃないかと思ったんです。
そしたら、案の定ありました!
しかも、『立秋』前は『丑の日』ですが、季節によって違っていたんですね。
『立春』まえの『土用』→『未の日』
『立夏』まえの『土用』→『戌の日』
『立秋』まえの『土用』→『丑の日』
『立冬』まえの『土用』→『辰の日』
となります。
明治時代以前は『太陰暦』を使用していたので、現代とは少し違っているので分かりにくいですが、江戸時代までは
『春』→1月・2月・3月
『夏』→4月・5月・6月
『秋』→7月・8月・9月
『冬』→10月・11月・12月
となっていましたから、『立秋』まえの『土用』がちょうど8月前後となっていることをみるとこの時期の『土用』が『丑の日』になることが分かります。
さて、『立秋』まえの『土用』は『丑の日』でしたが、この日は『う』がつく食べ物や『黒いもの』を食べると良いとされています。
『う』がつく食べ物では「うなぎ」はもちろんのこと、「うどん」や「梅干し」や「瓜」また、「牛肉」など。
また、『黒いもの』としては「シジミ」や「昆布」「黒豆」が良いと言われています。
実際、この時期は夏真っ只中であり、「夏バテ」や汗も大量にかく季節なので、スタミナ源として、「うなぎ」や「牛肉」、「梅干し」を食べるにはピッタリです。
さらに、夏はビールなどお酒もすすむのでそんな時は「シジミ汁」を飲んだり、からだを冷やすために「瓜」などを食べると言うのは理にかなっているんですね。
『土用』の日に食べると良いのがそれぞれ季節によって違って違うわけですが、それがこちらになります。
① 『春土用 未の日』→『ひ』のつく食べ物や、『赤い食べ物』。
② 『夏土用 戌の日』→『い』のつく食べ物や、『白い食べ物』。
③ 『秋土用 丑の日』→『う』のつく食べ物や、『黒い食べ物』。
④ 『冬土用 辰の日』→『た』のつく食べ物や、『青い食べ物』。
2020年10月28日はちょうど『土用 辰の日』に当たります。
この日に『た』のつく食べ物や『青い食べ物』を食べると良いとされていますが、『青い食べ物』って一体何?
と思われる方もいらっしゃると思いますが、それは『青魚』などになります。
例えば「さんま」や「さば」、「イワシ」などですね。
また、『た』のつく食べ物として「大根・玉ねぎ・大豆」などがあり、まさに「さんま」の塩焼きにおろし醤油は旬としてもぴったりの食べ物なんですね!
「さんま」といえば、落語など噺に登場する』「目黒のさんま祭り」が有名ですが、今年は新型コロナウィルスの影響で中止してしまいました。
この「目黒のさんま祭り」は目黒商店街で毎年無料で焼きさんまを配布していますが、『目黒不動尊 瀧泉寺』のお膝元になります。
江戸時代、江戸の守護神として『五行思想』をもとに5色の不動尊を置きました。
そして、『土用の日』には季節によって違った色の食べ物が良いと先程、伝えてました。
その色とは『赤・白・黒・青』そしてもうひとつ。
『金(黄)』
『金(黄)』=土。
ここから『土用』と言うことばが生まれ、この土が四季の間に入り割り当てられました。
『春(赤)→土用(金・黄)→夏(白)→土用(金・黄)→秋(黒)→土用(金・黄)→冬(青)→土用(金・黄)→春』
のようなサイクルに。
また、『土用』のさいごの日が『節分』となっています。
今でこそ、2月3日が『節分』として習慣づいていますが、以前は各季節ごとに感謝の意を込めて祝っていました。
今でも春の『節分』では、たくさんの神社仏閣で『豆まき』をして、賑わっていますよね。
なかでも有名な『成田山 新勝寺』では多くの参拝客で毎年賑わっています。
そして、この寺院の本尊は『不動尊』であり、また参道では「うなぎ」が有名です。
そうした意味でも『土用の日』とは大切な風習なもので、次の『土用の辰の日』には、旬で脂ののった「さんま」や「さば」などを食べ、さらに殺菌効果がある「大根」や「玉ねぎ」、タンパク質豊富な「大豆」を食べ、『冬』に向けて備えていきたいものです。
「さんまの塩焼き」におろし醤油を肴に、美味い酒を飲みたいものですね!