『日本』各地で連日、桜の開花が進み、都内では4年ぶりに『花見』しながら飲んだり食べたりの宴会も解禁もされ、一層の賑わいを見せています。
ようやく、気心の知れた仲間と飲むことが出来るようになり、心弾む気分になっているのは私だけでしょうか?
【出典:『伝統の日本紀行』公式サイトより。】
そんな桜の下でお酒とつまみを舌鼓するのが楽しみですが、なんと言ってもお酒に合ったつまみを選ぶのも、『桜祭り』での醍醐味のひとつでもあります。
個人的にあったら絶対買うものとしては、焼き鳥と鮎の塩焼きです。
特に鮎の塩焼きに関しては、その物珍しさから『花見』に限らず屋台にあったら必ず買ってしまう商品です。
あとはなんと言っても寿司。
こちらも必ず注文するものですね。
さて、『桜祭り』と聞くと『上野』にある『桜祭り』がイメージとして定着していますが、その歴史は古く、なんと『江戸時代』にまでさかのぼるんです。
【出典:「東都花暦 上野清水之桜」渓斎(画像提供/国立国会図書館ウェブサイトより。】
というのも、3代将軍・『徳川家光』の時、『上野』の地に『寛永寺』を建立した際に、同時に『天海』が景観を良くするために『桜』の木を植えたとされています。
その後すぐに、『花の名所』として知れ渡るようになり、4代将軍・『徳川家綱』の時には庶民も『花見』を楽しむようになりました。
当時は庶民も武士も宴会を開いて馬鹿騒ぎ!
さすがに、『徳川家』の『菩提寺』で飲んで食っての馬鹿騒ぎをしたらダメだと言うことになり、8代将軍・『徳川吉宗』の時には、禁止令も出ることに。
『花見』は「『桜』の景観を楽しむのみ!」になったんですね。
だから逆に身分の高い階級の家なんかは、落ち着いた雰囲気で、『桜』を楽しむことが出来たみたいですよ。
そんな禁止令が出たことによって、人々は『隅田川』の桜並木に集まりだして、今日の『隅田川 桜祭り』に至るんです。
【出典:『国立国会図書館』より。】
と言っても、これには実は深い理由がありまして…。
『徳川吉宗』は当時、隅田川の大規模な治水工事を行なっていたんですね。
ただ、治水工事をやったばっかりだから地盤がしっかりしていなかった為に、あえて桜並木にして観光名所として人々を呼び込みました。
そうするとどうなるかお分かりですか?
人々がその地盤を踏んでくれるんで、タダで地盤を固めてくれるんです。
庶民を利用して『経費削減』するなんて、さすが倹約家の『吉宗』ですね。
そんな歴史的背景から現在に続くまで長きに渡って伝わっている風習。
是非とも、楽しんでみて下さい。
余談ですが、ここで『桜』にまつわる都市伝説を…。
「『桜』の下には、死体が埋まっている。」という都市伝説を聞いたことがあるでしょうか?
その真相とは…。
実は、これ『明治時代』の小説家だった「梶井基次郎」の短編小説、「櫻の樹の下には」の冒頭部分の文章から広まったのです。
ちなみに彼の文章は、感覚的なものと知的なものを組み合わせた美しい文体で、のちに「三島由紀夫」などにその影響を与えました。
また、「三島由紀夫」が割腹自殺をした場所は現・『防衛省』の本省が設置されている場所です。
そして、『自衛隊』のエンブレムにはそれぞれ、『桜』のマークが入っているんですね。
【出典:『陸上自衛隊』公式ホームページ エンブレム『桜刀』より
https://www.mod.go.jp/gsdf/about/mark/index.html
2023年3月25日利用。】
【出典:『海上自衛隊公式ホームページ エンブレム『桜錨』より
2023年3月25日利用。】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%88%AA%E7%A9%BA%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A
2023年3月25日利用。】
その理由というのは、『桜』が『菊』と同様に『国花』に準じている最も認知度のある「花」だからなんです。
(※『日本』では、法定で正式には決まっていない為。)
ちなみ、『自衛官募集』の公式ホームページにも「桜」の花びらが描かれています。
https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/
2023年3月25日利用。】
「桜」という花は、それほど『日本人』に親しまれているものと言うのが分かりますね。
最後に『花見』と言えば、今は「桜」を観覧するのが一般的ですが、『奈良時代』は「梅」を観覧することを『花見』と言われていました。
その理由は、「春」を告げる「花」として、『季語』にもなるくらい親しまれていたから。