師走に入り気温も一気に寒くなる中、『冬』が旬の食材もたくさん市場にも出回るようになりましたね。
2022年(令和4年)もあと1ヶ月を切った中、『大晦日』や『正月』など『ハレの日』に向けてちょっと贅沢な料理をと構想を練っているのでは無いでしょうか。
中でも『ハレの日』に欠かせないのは、なんて言っても鯛。
これは「めでたい(鯛)」から来ている縁起物。
ここで思ったのは、「何故、魚の盛り付けは頭が左なんだろう?」と…。
結論から言うと、『日本』には『左上位』と言う作法や礼法と言う伝統的な風習があり、それに沿って魚の頭を左側になったんです。
しかも、この風習は『飛鳥時代』からの伝統礼法となっています。
では一体、何故左側が上位なのかと言うと…。
それは『天皇』を中心とした時に、右手側にいる人に指示を出しており、そこから他の配下に指示が回ったからです。
よく、組織内で「〇〇の右腕」なんて言われる人は、その中でも特に優秀な人で、「〇〇の右に出るやつはいない。」なんて言葉もあるくらいですよね。
でも、これはあくまでも『天皇』側から見たもの。
これを自分たち側(正面)見ると、左側になるんです。
正面
右大臣 左大臣
『天皇』
と言う形です。
他にも、『天皇』が座る位置は、その場所が決して変わらない『北極星』と重ね、『不動の位置』として、『北側』と決まっています。
良く、スポーツの世界なんかで使われる「不動の〇〇」と言うのは、そのチームのエース級の人物を指す言葉ですよね。
そして『北側』に座る『天皇』から見ると、『太陽』が昇るのは左側になります。
『日出ずる国、日本』として、その中心となっていた『天皇』。
(上記は『日本国旗』より引用。)
『太陽』の尊さから『左側』が上位となったんです。
と、このように 『左上位』と言う伝統礼法から魚の盛り付けも頭が左側になったんです。
そして、これに従って『日本食』でも主食であるご飯が左側になったんです。
それからもう一つ。
『日本人』は右利きの割合が多い、と言うかつい最近まで左利きも右に修正されていたからです。
右利きの人が頭のついた魚を食べる時、頭が右にあると邪魔ですよね。
だから、左側になったんです。
ちなみに、切り身の場合はふっくらとした腹側を左にします。
(上記は『高島屋オンライン』より引用。)
これも右利きが食べやすいように工夫して、提供するための『おもてなし』の作法だったんですね。
そして、面白いのがこの盛り付け『日本』だけでは無く海外でも、その多くは頭や腹側が左側になっています。
(上記は『ロンドンナビ』公式サイトより引用。)
と言うのも、その理由は宗教に関係しています。
特に『カトリック教』や『イスラム教』では左手は『不浄な物』や『悪魔の手』などと言われ、『忌み嫌う物』となっています。
だからこそ、世界的に見ても右利きが多いのかもしれませんね。
このように、さまざまな理由で魚の盛り付けは左側に頭や腹側になっていったんです。
魚の盛り付け、ひとつ取ってもその国の歴史を知る事が出来るなんて、やっぱり『食』と『歴史』は繋がっているんですね。
面白い‼︎