2022年の『大河ドラマ』も終盤をそろそろ迎える中、2023年の『大河ドラマ』の情報も少しずつ報道がされています。
そこで毎回感じるのが、現代人と武士との違い。
もちろん、現代のように自動車やスマホなど便利な物はひとつも無い中、何を目的に仕事をしているか。
それは、『剣術』です。
その『剣術』の稽古は基本的には『木刀』を振ってのものになります。
いわゆる『素振り』ってやつですね。
では、実際の『日本刀』とは一体どのくらいの重量だったのか。
その重量はなんと、1kg以上。
(上記は『三日月政近』 『東京国立博物館』公式ホームページより引用。)
1kg以上もする『日本刀』をいつ何時でも、敵からの攻撃に対して対応出来るように、日々鍛錬する、それが武士の仕事なのです。
『江戸時代』末期、長州藩や土佐藩など『尊王・倒幕派』を弾圧し恐れられていた『新撰組』。
その中心となるのは局長である「近藤勇」や副長の「土方歳三」ですが、彼らの道場である『天然理心流』は、普段からその稽古での『木刀』の重さを『日本刀』と変わらない重量にしていたのです。
そして、『天然理心流』の門下生は『新撰組』では、総長「山南敬助」・1番隊隊長「沖田総司」などがおり、中でも「沖田総司」はその中でもダントツの強さだったと言われています。
だからこそ、『日本刀』をあんないとも簡単に使いこなし瞬足の得意技、「三段突き」もなし得たんでしょうね。
(上記は『るろうに剣心』より引用。)
実際、現在『天然理心流』で使用されている専用の木刀は、その重量が1.4gもあるんです。
『日本刀』よりも重い『木刀』で稽古してたら、そりゃ簡単に『真剣』を持ったら軽々しく扱えますよね。
さて、現在『財団法人 全日本剣道連盟』の剣道の試合、審査の『竹刀』の長さ・重さが年齢別に定められています。
(上記は『財団法人 全日本剣道連盟』
これを見ると分かるように、一般男性の『竹刀』の規定重量は510g以上となっています。
もちろん『木刀』も昇段審査の時には、『竹刀』とほぼ変わらない重量で臨んでいる選手がほとんどです。
当たり前と言えば当たり前ですよね。
なぜなら、今は『日本刀』を振り回して食ってくる時代では無いから。
だからこそ、『日本人』の本質である『心・技・体』そして礼儀が求められているのです。
『TOKYO 2020』の記念金貨にもデザインされているように。
ここで面白い『日本刀』の話をひとつ。
『日本刀』には数ある中でも特に名刀と呼ばれる『天下五剣』が存在します。
これは『国宝』の『三日月宗近』・『童切丸安綱』・『大典太光世』の3つと、『重要文化財』の『数珠丸桓次』。
この4本の『日本刀』はしっかりと『国指定』の物となっていますが、最後のひとつ『鬼丸國綱』のみが何も指定されていません。
その理由は、『皇室』の私有財産である『御物』となっているから。
(上記は『鬼丸國綱』 『刀剣ワールド』より引用。)
そして何よりも、この『日本刀』を所持していた人物たちの経緯が面白いのです。
その後『元弘の乱』によって『北条得宗家』が滅ぼされた際に『家宝』であったこの『日本刀』が「新田義貞」の手に渡り、さらに「足利尊氏」と対立して、「新田義貞」が負けたことによって、「足利氏」の『家宝』となりました。
『室町幕府』最後の将軍「足利義昭」まで所持し、「織田信長」に譲渡。
「織田信長」が「豊臣秀吉」に譲渡し、「豊臣家」へと渡りますが、『大阪の陣』で『徳川幕府』を成立・基盤を作った「徳川家康・秀忠」親子の物となります。
その後、『刀剣』鑑定の名家である『本阿弥家』に預け、『明治時代』に入り、『明治天皇』へと献上され、『皇室』の私有財産となったのです。
いわば、『日本』の歴史に登場する重要人物たち全てが手にしていると言うことですね。
『日本刀』が歴史を語っているとはまさにこの事です。
その他4本にも面白い歴史があり、それぞれが『日本』の歴史を見てきている名刀となります。
そんな『日本刀』、今では使い熟せる人は一握りもいませんが、機会があれば是非その重さと切れ味を実感してみて下さい。
やっぱり、木刀での素振りは大事かなぁ〜。