2022年9月1日、『ニューヨーク外国為替市場』で『円相場』が一時、1ドル=140円台にまで下がりました。
これは、1998年8月30日以来の24年ぶりの出来事になります。
この時代、『バブル崩壊』から約5年。
『日本』は戦後最悪の経済状態に陥り、経済成長は戦後最大のマイナスを記録した年でした。
同時に企業のリストラや倒産などから完全失業率は戦後最悪となり、物価下落から企業の収益は大幅にダウン、いわゆる『デフレスパイラル』となり、『平成大不況』ともささやかれるようになったのはこの年からです。
さらに、金融機関でも『日本長期信用銀行』、『日本債券信用銀行』が破綻し、『金融再生法』に基づいて、一時的に『国有化』にする『特別公的管理』を適用とすることとなりました。
この年は他にも『金融ビックバン』が始動。
『政界』では、『参院選』で『自民党』が惨敗し、『橋本内閣』は退陣、『小渕内閣』が発足し4年間続いた『自民・社民・さきがけ』3党による連立政権は幕を下ろし、翌99年1月から『自民・自由』の『自自連立政権』をスタートすることに合意。
こうしてみるとやはり何か、悪い状況にあったと言うのがこの先の『日本』を見ていても分かるような社会情勢だったんですね。
さて、こんな『不況』が舞い込む「大人の世界」とは裏腹に「若者層」では、新たな現象が一大ブームとして到来しました。
それはファッション・文化にまで影響を与え、その世代で育った若者は誰もが知っている用語。
『アムラー』。
沖縄県出身のアーティスト、『安室奈美恵』のファッションを真似た、当時爆発的に広まった流行になります。
(上記は『namie amuro Final Tour 2018~Finally~』より引用。)
それを象徴するのがいわゆる、ガングロ・茶髪・メッシュにミニスカ・ルーズソックス・厚底ブーツに身を纏った、『コギャル』の登場です。
99年には『平成の歌姫』と称され、史上初の『日本レコード大賞』を3年連続受賞した『浜崎あゆみ』が世に旋風を巻き、さまざまな分野でその影響を与えることとなります。
(上記は『浜崎あゆみ』「evolution」より引用。)
この時期あたりから、いわゆる日焼けをしないギャル、『白ギャル』ブームが到来。
さらに当時『カリスマ◯◯』などと言う、用語が流行り、これもまたさまざまな分野で流行を見せました。
個人的には『黒のカリスマ・蝶野正洋』と『天才・武藤敬司』率いる、『nWo JAPAN』が大好きでしたけどね。
(上記は『トーキングマスターズ シーズン7』ポスターより引用。)
この時辺りから大きなサングラスやデコネイルに金髪、ショートヘア、ローライズなどが流行り始めますが、これら全てが『浜崎あゆみ』がするもの。
まさに当時の『若者』の女性にとっては『カリスマ』だったのです。
男性の方はと言うと、ちょうど1998年〜1999年に掛けて、それまでの『ロック』から、『ラップ』と言うジャンルが世に旋風を巻き起こし、そのきっかけとなったのが、『Dragon Ash』。
(上記は『Dragon Ash』『Deep Impact feat. Rappagariya』より引用。)
彼らのファッションセンス・音楽そして、垣根を越えたコラボなどで大ヒットを連発。
一世を風靡しました。
この辺りから、『ダンスミュージック』が定番化しつつあること、『ラップ』を使う『ヒップホップ』や『ミクスチャー』が流行りだしたことで、ジャージやB系スタイルが流行り始めました。
ちなみに、最近では当たり前になりつつある『腰パン』。
これは、元々『アメリカ』の特に『アフリカ系アメリカ人』の囚人の格好だったと言うのをご存知でしょうか?
囚人たちにパンツを締めるベルトや紐などを付けさせていては、それを使い◯殺や脱走を試みてしまうと言う懸念から、何も付けないパンツを履かせていたんです。
その囚人たちが出所した後も、そのスタイルを維持し、それが不良の間に広まったことからと、『アフリカ系アメリカ人』のソウルミュージックであった『ヒップホップ』が相まって、ダボダボ、腰パンと言うスタイルになっていったそうです。
こういった側面からの歴史も面白いですよね。
さて、このようなファッションや文化が1990年代後半から2000年代に掛けて、定番となっていきました。
その当時の『若者』は今は、立派な『大人』になっています。
そして中には子供も出来たと言う方もたくさんいらっしゃるでしょう。
だからこそ、この『Y2K』と言うのが受け入れやすいのです。
なぜなら、当時中学・高校生の子たちは40代前後になっているのですから。
当時とは少し違い、『令和版』にはなっているものの、基本的にはあまり変わらない。
だから、流行しているのです。
さて現在、世界ではほとんど全ての物価が上がり、生活が少しずつ首を絞めている状態です。
戦争や食糧危機、異常気象、コロナ禍などで決して『平和』な世界とは言えません。
いわゆる『不景気』。
この『不景気(不況)』に時こそ、肌を見せのファッションが流行するという統計があります。
その理由は、生地の削減。
もしかしたら、服のコストを抑えるためにこのようなファッションを流行らせているのかもしれませんね。
『不景気』の時に…。