『お盆休み』も終わりまだまだ残暑の季節ですが、いかがお過ごしでしょうか。
この時期になると台風も近づいたりとで、気温が上がったり下がったり、また『お盆』疲れで、体調を崩してしまう方が多いと思います。
そして、昔はそれが『妖怪』や『怨霊』の仕業だと信じられてきていました。
そんな『妖怪』や『怨霊』、そして『先祖』の供養のために始まったのがいわゆる『お盆』なんですが、1200年の歴史のある『京都』にはある都市伝説が存在しています。
それは『妖怪』や『怨霊』たちが市中を練り歩く『百鬼夜行』。
(上記は『水木しげる生誕100周年記念 水木しげるの妖怪 百鬼夜行展』より引用。)
『百鬼夜行』とは、『妖怪』や『怨霊』・『鬼』たちが文字通り群をなして、『京都市内』を練り歩き、それを見たものは死んでしまうという、伝承となりますが、その歴史は古く、『平安時代』にはすでにこの伝承はあったとされています。
当時の貴族たちはそれを恐れて、『百鬼夜行』の日の夜中は外に出歩くことも控えていたのだとか。
その伝承が未だに、『京都』では深く浸透しているんですね。
では、一体『百鬼夜行』の日はいつなのかと言うと、
1月・2月→子の日
3月・4月→午の日
5月・6月→巳の日
7月・8月→戌の日
9月・10月→未の日
11月・12月→辰の日
となります。
これに合わせると2022年の8月は『戌の日』となるので、1日・13日・25日となっています。
13日はまさに『お盆休み』の時期と重なっていますよね。
だから、『京都』では『お盆』の最後の日に『大文字の送り火』をやったりするんですね。
また、現在では『ハロウィン』にあわせて、『大将軍八神社』のほど近く、大将軍商店街で『一条百鬼夜行』と言うイベントが開催され、さまざま『妖怪』や『怨霊』・『鬼』などに扮して行進しています。
この『大将軍八神社』は『桓武天皇』が『平安京』に遷都した際に、『結界』として建立した、由緒ある『神社』ですが、それはまた今度にして、そんな場所でやっているのが1200年の歴史がある『京都』だからこそできる、『町おこし』ですね。
そんな『百鬼夜行』は『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』など『説話文学』の傑作とされる作品にも登場しますが、その『妖怪』たちの数は数多。
『雪女』や『鎌鼬』、『黒坊』や『ぬっぺっぽう』など、一度はどこかで聞いたことがあるような『妖怪』たち。
その『妖怪』たちを率いているのが、『妖怪の総大将』である『ぬらりひょん』なんです。
(上記は『ゲゲゲの鬼太郎』より引用。)
ただし、これもいわゆる俗説であり過去の記述には『妖怪の総大将』と言うものは残って無く、『ゲゲゲの鬼太郎』などのアニメや漫画でそのイメージがついたと言う説があります。
しかも、実際の『ぬらりひょん』は特に悪さをするわけでは無くて、勝手に家の中に入って堂々と煙草やお茶を啜る、掴み所がない『妖怪』です。
そんな掴み所のない『妖怪』が『総大将』だからこそ、『妖怪』自体もどこか愛嬌のある、全てが「悪」ではない『妖怪』たちが多いのでしょうね。
でも、いくら全てが「悪」ではない『百鬼夜行』を見てしまったら死んでしまうと言う伝承があり、その不安は拭い切れません。
もし、万が一『百鬼夜行』を見てしまったら、この呪文を唱えて下さい。
「かたしはや えかせせくりに
くめるさけ てえひあしえひ
われえひにけり」
この呪文を唱えると害が無いと伝わっています。
意味は、「自分は酔っていて、手も足も酔っているものである。」となります。
酔っ払いには、『妖怪』たちですら近寄らないってことですね。
また、『藤原氏』を特に『藤原道長』を軸とした歴史書である『大鏡』には、『蘇我入鹿』を先頭に、『藤原氏』に恨みがある者たちの『怨霊』が列を為して、『京都市内』を徘徊していると言うことが記載されています。
これは、当時いかに『藤原氏』が『摂関家』として権力を持っていたかと言うことを後世に残すための歴史書となっています。
そんな『怨霊』ですら支配出来るぞ!と。
事実、『藤原道長』の子、『藤原頼通』が建立した『平等院鳳凰堂』には、『日本三大妖怪』を封印していると言う逸話も残っているくらいですからね。
(上記は『KYOTO SIDE』ホームページより引用。)
そんな『百鬼夜行』ですが、次の8月戌の日は25日になります。
ちょうど1週間後となりますが、この日は『仏滅』。
何か縁起の悪い事が起こらないように気をつけなければ行けませんね。
何故なら、一番恐いのは『人間』だから…。