2022年の大河ドラマもいよいよ『源頼朝』の義兄弟が全ていなくなり、佳境に入り始めています。
さて、時代劇でよく「◯◯万石の大名」と聞きますが一体どのくらいの量かご存知でしょうか?
今回は、『石高制』が確立された『江戸時代』の単位でとすることにします。
まず『一石』と言うのは「1000合」になります。
『一石』=「1000合」
「1合」=「150g」
と言う事は、kg数に計算すると
『一石』=1000(合)×150(g)=150(kg)となるんです。
よく、米の単位で聞く『一俵』と言うのは「60kg」。
150(kg)÷60(kg)=2.5(俵)
となります。
(上記は『小学館の総合通販サイトPAL-SHOP』より引用。)
そして良く見るお米屋さんなどにある紙袋のは30kg、と言うことはあの量は「半俵」と言うことですね。
ちなみに、『一石』とは大人1人が1年間、食べる米の量となります。
そして、『一石』の価値は時代によってその価値は変動しますが、基本的には『一石』=『1両』と言われています。
(上記は『日本コイン古銭情報館』より引用。)
『1両』と言うのは現在の価値にすると、これも時代によって変動はありますが、基本的には『1両』=『10万円』。
と言う事は、
『一石』=『1両』=『10万円』
になります。
さて、『江戸時代』の武士の給料は現金ではなく、米で支払われていました。
その『石高』数は各藩によってさまざま。
余談ですが、いわゆる『城持ち大名』と言うのはおおむね『3万石』以上の『大名』のことを指しています。
それ以下の『大名』はお城を持てなかったって事ですね。
そんな中でも有名なのが『加賀藩』。
『加賀百万石』と言うのはあまりにも有名ですよね。
毎年6月上旬には『加賀百万石』にちなんだ祭の『金沢百万石まつり』も開催され、数十万人の来場者を迎える大きな祭になります。
幕末期の『文久3年』に幕府の『大目付』が全国、各藩の『石高』を調べたところ堂々の第一位は圧倒的な差を開いて、やはり『加賀藩』の120万石。
唯一100万石を超えている藩が『前田利家』を祖としている『加賀藩』だけなんです。
(上記は『加賀前田家』家紋 『加賀梅鉢』より引用。)
他にも聞いた事がある藩が上位20位までを占めています。
この当時、約270藩が存在していた所から見てもかなりの力を持っていた藩だったと言う事が分かります。
では『文久3年』の全国ランキングトップ10は言うと…。
堂々の第1位は、
『加賀藩』→120万石
第2位は、
『薩摩藩』→72万8000石
初代藩主『島津家久』→父は『鬼島津』と畏れられた『島津義弘』
第3位は、
『陸奥藩』→62万石
初代藩主『伊達政宗』→『独眼竜』として有名
第4位は、
『尾張藩』→61万9500石
初代藩主『徳川義直』→『御三家 筆頭』
第5位は、
『紀伊藩』→55万5500石
初代藩主『徳川頼宣』→『江戸幕府 中興の祖』である『徳川吉宗』を輩出
第6位は、
『肥後藩』→54万石
第7位は、
『越前藩』→47万3000石
初代藩主『黒田長政』→父は『豊臣秀吉』の側近中の側近『黒田官兵衛』
第8位は、
『安芸藩』→42万6000石
第9位は、
『長州藩』→36万石
初代藩主『毛利輝元』→『五大老』のひとり、『関ヶ原の戦い』時は西軍の総大将
第10位は、
『肥前藩』→35万7000石
初代藩主『鍋島勝茂』
ちなみに第11位が、
『水戸藩』→35万石
初代藩主『徳川頼房』→子は時代劇でお馴染み『水戸黄門』こと『徳川光圀』
となっています。
こうしてみると、そのほとんどが『幕末』・『明治維新』後にも名を連なり活躍している藩ばかりというのが分かりますね。
そして、現在の価値に直すと
第1位 『加賀藩』→約1000億円
第2位 『薩摩藩』→728億円
第3位『陸奥藩』→620億円
第4位『尾張藩』→619億5000万円
第5位『紀伊藩』→555億円
第6位『肥後藩』→540億円
第7位『筑前藩』→473億円
第8位『安芸藩』→426億円
第9位『長州藩』→360億円
第10位『肥前藩』→357億円
ちなみに第111位の『水戸藩』→350億円
となります。
これをきいてもやはり、『加賀百万石』は伊達じゃないということがわかりますね。
さて、では『江戸幕府(将軍家)』は一体どれだけの『石高』があったのだろうか。
答えは『江戸幕府(将軍家)』は…。
約420万石。
現在の価値に換算すると、なんと4200億円にもなるのです。
圧倒的な、まさに『格の違い』を見せつける数字となります。
だから未だに『徳川埋蔵金』などの都市伝説があるんでしょうね。
ちょうど、今の時期は世間では『御盆休み』。
機会があれば、こういった視点からの『お城巡り』を楽しんでみてはいかがですか?