皆さんは『南蛮』と言えば何を想像しますか?
学校の教科書や一般的には『南蛮貿易』。
そして、『キリスト教』の普及のために宣教師が来日し、さらには『火縄銃(種子島)』が広まり、それまでの戦術が一気に変わるきっかけとなりました。
『南蛮貿易』→『キリスト教』の宣教師・『火縄銃』が一般的な歴史の知識となっていると思います。
『キリスト教』の宣教師と言えば、必ず歴史の教科書にも出て来る『イエズス会』の『フランシスコ・ザビエル』。
(上記は『イエズス会』紋章より引用。)
『イエズス会』の会員数は現在、『カトリック教会』の中の『男子修道会』では最大規模のものとなっています。
実際、現在の『ローマ教皇』である『フランシスコ教皇』は『イエズス会』史上初の『教皇』となり、自身の紋章にも『イエズス会』の紋章が描かれています。
(上記は『フランシスコ教皇』の紋章より引用。)
また、近年では大統領暗殺など、さまざまな『陰謀』の黒幕であると言う都市伝説のイメージがつきまとい、『イエズス会員』を表す『Jesuit』が『陰謀論者・策略家』などと訳されています。
実際、『陰謀論』で有名な『イルミナティ』の創設者、『アダム・ヴァイスハウプト』は『イエズス会員』であったと言うのは都市伝説界隈では有名な話となります。
(上記は『イルミナティ』紋章より引用。)
『イエズス会』の創設者の一人で、『日本』にも深い関わりがあった『フランシスコ・ザビエル』もこのような形になるとは思わなかったでしょうね。
(上記は『フランシスコ・ザビエル』肖像画より引用。)
そんな『フランシスコ・ザビエル』ですが、『日本人』の印象について、
「今まで見てきた国民の中で最高であり、『日本人』よりも優れた異教徒は見つけられないでしょう。
一般的には、『日本人』は善良な心を持ち悪意が無く、何よりも『名誉』を重んじています。」
と高評価をしています。
この場合の『名誉』とは、『武士』でも『農民』でも、貧しくてもそうでなくても、その事を『不名誉』とは思わずに、むしろ『名誉』であるとして生活をしている事を言っています。
また、『信仰心』についても、
「洗礼を受けなければ、地獄に堕ちる。」と言う、『フランシスコ・ザビエル』に対して、『日本人』のそのほとんどが、
「あなたの『神様』はずいぶんと無慈悲だし、無能では無いか。『全能の神』と言うのであれば、全ての人を救ってくれても良いのでないか?」と言ったと言います。
当時、『他力本願』の『一向宗(『浄土真宗』』)が全国的に広まっていた時代。
『フランシスコ・ザビエル』はその返答に応える事ができなかったとし、
「『日本人』は文化水準が高く、よほど立派な宣教師でないと、『日本』での布教は不可能であろう。」
と、本国の『ポルトガル』に手紙を送っています。
そうした『日本人』の独特な感性に胸を打たれた『フランシスコ・ザビエル』は、
「日本人は、予の魂の歓びなり!」
と述べており、このことばは『西洋(『キリスト教圏内』)で広く知れ渡っていきました。
これが後に、『ペリー総督』が艦隊を率いて『日本』に開国をさせるよう決意した原因となったのです。
余談ですが、『ペリー総督』は『フリーメイソン』の会員であり、『イエズス会』同様、『陰謀論』の元凶、そして『アメリカ』自体もその『秘密結社』が建国したとも言われています。
『戦国時代』の終焉、『明治維新』のきっかけと共に時代の変換期をどちらも携わっている所を見ると、歴史の面白さをより一層深めることができますね。
だいぶ話はそれてしまいましたが、『南蛮』とは『スペイン』や『ポルトガル』及び『東南アジア』の文物や人物のこと。
そして、『南蛮人』が貿易と一緒に持ち込んだものを『南蛮◯◯』と呼ばれています。
この『南蛮』から持って来られた食材を使い作った料理がいま現在でも、そのまま使われているんです。
『南蛮』から持って来られた食べ物とは例えば、唐辛子・長ネギ。
「南蛮味噌」は唐辛子に味噌やその他の調味料で出来ているし、「鴨南蛮」や「カレー南蛮」は長ネギを使用しています。
なかでも「チキン南蛮」は食欲旺盛な男子には大人気の食べ物。
これも元は食材に唐辛子と酢をつけたものである「南蛮漬け」が発祥で、戦後それを鶏肉を用いて小麦粉とたまごで揚げたものになります。
特徴的なのが、揚げた鶏肉の上にタルタルソースや地域によってはオーロラソースかけて食べます。
他に『日本』の郷土料理で、こういった料理は中々見かけないですよね。
だから、2007年には農林水産省による農山漁村の郷土料理百選の「御当地人気料理特選」にも選定されているんですよ!
このように、『南蛮』から入ってきたものを独自のアレンジを加えて郷土料理にしてしまう『日本』。
さすがは『島国』ですね。
他にもたくさん『南蛮』発祥のものがあります。
そういったものをたくさん取り入れて、この夏を乗りきって行きましょう!