皆さんは『クリスマス』を如何お過ごしだったでしょうか?
「チキン」や「ピザ」など、洋風の物で食卓を飾り、飲み物には「ワイン」や「シャンメリー」など、普段はあまり口にしない方も、この日ばかりはと、口に運んだ方も多いと思います。
そして、最後の締めとして「ブッシュドノエル」など、誕生日の「ケーキ」とは一味違ったこの日だけの楽しみと、家族や仲間うちで頂いたなんて方も多いのではないでしょうか。
さて、今上げた食料品。
そのほとんどが、外国からの『輸入品』で賄われているということご存知だったでしょうか?
つい先日、『マクドナルド』の「ポテトフライ」もサイズを「S」のみの販売と決定しました。
その期間は12月24日〜30日までの7日間。
これは『アメリカ』から輸入している「じゃがいも」の品薄状態となり、その影響によって限定的な販売となりました。
その直接的な原因は、『カナダ』で記録的な大雨で港が混乱に生じて、輸入に影響が出たとなっていますが、これは今回の「ポテトフライ」だけに限ったことではありません。
「大豆」や「小麦」さらには「牛肉」などにもその影響をあたえているのです。
「醤油」の製造業としての大手企業である『キッコーマン』や『ヤマサ』は2022年3月1日から4%〜10%値上げすると発表しています。
また、「牛丼」大手3社も相次いで、値上げに踏み切りました。
その背景には全て、輸入食料品の高騰、そしてそれを運輸する原油価格の高騰があったからです。
ここまで、生活に影響してくる輸入食料品。
では一体、我が国『日本』はどのくらい国内で食料を生産しているのか。
『令和2年度』の『食料自給率』はなんと、たったの37%
残りの63%は全て海外からの輸入に頼っているのです。
そして、これは過去のデータから『昭和40年』のを境に低下していっているというのが分かります。
その理由は、終戦20周年、前年に『日本初』の『東京オリンピック』開催、5年後の『大阪万博』などがあり、自然と直接関係のある『第一次産業』よりも、より利益を得て世界に羽ばたくことが出来た、『第二次産業』の発展、いわゆる『高度経済成長期』が起こったことによります。
この『高度経済成長期』により、『日本』はつい最近まで、『アメリカ』に次ぐ『経済大国』にまで上り詰め、世界でも有数の先進国となりました。
ある犠牲を払いながら…。
その犠牲というのが、『自国』での『食料自給率』なんです。
車や電子機器などの『製造業』で『世界』が認める国になり、それに合わせて『国民』も『第二次産業』に目を向けて、『第一次産業』をおろそかとなりました。
(上記は『農林水産省』ホームページより引用。)
その結果、63%を海外から輸入をしなければ、食料が手に入れることが出来なくなってしまったのです。
一方で、『カナダ』や『オーストラリア』では200%を超え、『アメリカ』『フランス』でも100%を、『EU』最大の『経済大国』でもある『ドイツ』では95%、『イギリス』は63%、『イタリア』は60%、『スイス』は50%となっています。
(上記は『農林水産省』ホームページより引用。)
ちなみに、100%を超えたものについては、災害時などの為の備蓄・外国へ輸入をしています。
ここで問題なのは、今はまだお金を持っている国となっている『日本』。
もし今後、自然災害や新たな感染症などで『全世界』が対象となり、他の国に輸入している場合ではなくなったら?
もしくは、高い値段を突きつけられ、買うことが困難になったら?
車や電化製品などは、生きる為に便利ではあります。
でも、食料は生きる上で日々の生活に直結するものです。
これをおろそかにしていた『日本』。
だからこそ、現代に生きる『日本人』全ての国民が、しっかりと考えなければいけないのです。
では一体、ふだんの食卓でどの程度を『日本』の『国産』で賄っているのか。
例えば、『大晦日』の定番である『年越しそば』。
特に「海老天」の乗った『年越しそば』を1年の最後の夜に食べておきたいですよね。
でも、この『年越しそば』ですら、全てを『国産』にしようとしたら、その『食料自給率』はたったの22%しかないんです。
「蕎麦」で最も重要な「蕎麦粉」・そしてその繋ぎとしての「小麦粉」は『アメリカ』や『中国』などからの輸入に頼っています。
もちろん、『国産』にこだわっている店では全て『国産』を使用しているでしょうが、「蕎麦つゆ」に必要な「醤油」のもとである「大豆」。
「大豆」の自給率はたったの9%しかありません。
また、「海老天」の「海老」も輸入に頼っている物が多く、その衣に使用する「小麦粉」、そして「鶏卵」も97%となっていますが、「鶏卵」を産むための飼料を『国産』のみにすると、たったの12%まで落ち込んでしまうのです。
さらにはそれを揚げる「菜種油」は、12月28日に1年間で約2倍まで高騰したと報道がされています。
たった1杯の『年越しそば』ですら、このような状態なのです。
いまの『日本』は…。
さらに、ふだん食卓に並ぶ私たちの品目別自給率を上げると、「米」は97%、「野菜」は80%と高い水準をキープしていますが、それ以外は輸入に頼っている品目が多くなっています。
(上記は『農林水産省』ホームページより引用。)
現在、1日に必要なエネルギー量の目安は成人女性では1400〜2000Kcal、成人男性では2200±200Kcalとなっています。
(上記は『農林水産省』ホームページより引用。)
それに基づいて『国産』だけの食料自給力で賄うとすると、なんと「たまご」が8〜15日に1回しか食べられないようになってしまう計算なんです。
(上記は『農林水産省』ホームページより引用。)
では、一体どうすれば『国産』の『食料自給率』を上げていくか。
それは少し高くても『国産』の物を積極的に購入して食べることです。
『農林水産省』の発表によると、『国産大豆』100%使用の「豆腐」を月にプラス2丁食べると1%向上、『国産小麦』100%の「うどん」を月にプラス2玉食べると、これも1%向上します。
そして『日本政府』での取り組みとしても『令和12年』までに現在の37%から45%を目標を掲げています。
我々『日本国民』1人1人が、少しずつでも良いから、『国産品』を消費することによって、『第一産業』を支えることが出来、強いては将来の『日本』を救うことが出来るというのを意識しなければ、いけないんですね。
最後に、話はちょっとだけズレますが、先日『グローバルGDP 2021』の推移の発表がありました。
第一位は『アメリカ』、第二位は『中国』、次いで第三位に『日本』、第四位に『ドイツ』、第五位に『イギリス』となっています。
ここで、不思議なのは、最近まで第二位であった『日本』と、『ヨーロッパ』最大の『経済大国』である『ドイツ』が『自国の食料自給率』が100%を切っているということ。
ということは、100%にするには他の国からの輸入に頼るしかないということです。
そして、この2つの国に共通するものとは…。
『敗戦国』。
これはたまたまなのでしょうか…。
もちろん、『日本』も『ドイツ』も戦後、または『ベルリンの壁』崩壊後、並々ならぬ努力をしてきたらこそ、いまの『経済大国』と言われるまでに上り詰めたのは間違いありません。
ただ、お金を持っていても、食べる物がなければ死んでしまいます。
特に今の『日本』は…。
あと、2日で2021年も終わり、3日後には2022年の幕開けです。
『年末年始』、贅沢な物を食べて楽しむ方も多いでしょう。
ただ、少しだけでも今一度、現在『母国』がどのような状況に置かれているかを考えてみて下さい。
そうすることによって、少しでも『食品ロス』は減らせるはず。
そして、『有事』の際に対して、家族や仲間と考え話合わなければ、本当に大変な事になってしまいます。
そうしないためにも、是非『世界』を目に向け、協力し合わなければいけない時代となっています。
それが出来るのは『武士道精神』を持った、我々『日本人』だけなのですから。
『世界最古の国 日本』‼︎