いよいよ、12月と入り2021年も残り1ヶ月を切りました。
年末の大掃除や、年末年始の食材集め・「おせち」の予約や、クリスマスプレゼント・料理など何かとバタバタして忙しい時期となって来ました。
さすがは『師走』。
お坊さんですら、走ってしまうほどバタバタな月というのが、大人になっていく度に、肌で実感するようになります。
そして、今の時期に『旬』な食材のひとつである「牡蠣」。
生で食べても、煮ても焼いても、何にでも合い、これを食べると冬の寒い季節と、その美味さを感じる事が出来る、個人的には贅沢な品のひとつとなっています。
寒い季節に七輪で焼いて、それを肴に熱燗なんて今でしか味わえない最高の食材です。
そんな「牡蠣」ですが、別名『海のミルク』と言われているほど、栄養満点だと言うのをご存知でしょうか?
と言うのも、「牡蠣」にはなんと『必須アミノ酸』が9種類、全て含まれているんです。
『必須アミノ酸』とは、タンパク質を構成するアミノ酸のうち、その動物の体内で充分な量を合成出来ずに、栄養分として、必ず摂取していかなければ生きて行けないアミノ酸のことです。
そしてアミノ酸とは、臓器や血、皮膚、髪の毛、爪、筋肉など、生きる上に必要な成分となります。
「牡蠣」って、美味いだけでなく、実はヒトの身体にとってすごい大事な食材だったんですね。
実際に、『古代ローマ』ではその栄養価の高さに、重宝されており、この時からすでに養殖を行なっていたいたと言う文献もあるくらいです。
また『日本』でも、『縄文時代』にはすでに食用となっており、『貝塚(昔のゴミ捨て場)』では、「蛤(ハマグリ)」に次ぐ、貝の量が見つかっています。
この事により、どれだけ「牡蠣」が食べられていたかと言うことが分かりますね。
また、『室町時代』には養殖も始まっていたと言う文献も残っていることから、味はもちろんのこと、ヒトの身体にとって、如何に重要な食材だと言うことも分かっていたのでしょう。
まだ、科学も進歩していない時代から。
まさに、『先人の知恵』と言うやつなんですね。
中でも、「広島県」や「東北地方」が名産地となっており、『江戸時代』には「大坂」へ「広島」から「牡蠣」を運んで持ってきて、それを船の上で食べるというものが、『晩秋の風物詩』となっていたそうです。
『大坂商人』たちが、「牡蠣」を求めてこぞって食べに集まっているような光景が目に浮かびますね。
そしてやはり、昔から「牡蠣」は『秋』から『春』先に掛けてが『旬』だったことが分かります。
ここで、面白い話があり、「「牡蠣」は『R』が付かない時期は食べては行けない。」という俗説があります。
と言っても、なんのこっちゃ分かりませんが、1月〜12月を英語にすると、その真意が分かります。
1月→January
2月→February
3月→March
4月→April
5月→May
6月→June
7月→July
8月→August
9月→September
10月→October
11月→November
12月→December
どうですか、ちょうど『秋』から『春』先に掛けてが『旬』であると言うことが分かるでしょう?
『全世界』で古代から食べられている「牡蠣」は、どこも一緒なんですね。
ただし、現在では養殖技術や保存方法が進歩て、一年を通して食べること出来るので、人間の進歩とは改めて素晴らしいものだと実感することが出来ます。
中でも、個人的には、『夏』にバーベキューの際に網焼きで食べる「焼き牡蠣」は、それだけで「ビール」が進んでテンションの上がるものですし、惣菜屋で買った「牡蠣フライ」を肴に、キンキンに冷えた「冷酒」を飲むのが、この上ない至福を感じる時になります。
(上記は『松乃屋(松のや)』「牡蠣フライ定食」より引用。)
また個人的に、食べ方も定番の「ソース」や「タルタルソース」とかでは無く、「醤油」を全体的にかけ、それに「和がらし」を付けて食べるのが好きなんですね。
そして、今の寒い時期はなんと言っても「牡蠣鍋」。
(上記は『株式会社 味の素』ホームページより引用。)
クリーミーな味の「牡蠣」にトロトロになった野菜、そしてさまざまな栄養素やダシが溶け出した、スープは最高のご馳走です。
具材を食べ終わったら、最後に「ご飯」と「溶き卵」を加えて「雑炊」にすれば、全てを余す事なく食すことが出来、酒呑みには最高のひと時を味わう事が出来るんです。
そんな「牡蠣」ですが、『日本一』の漁獲量はやはり「広島県」となっています。
『江戸時代』から現在まで一貫して「広島県」の名産となっている「牡蠣」。
「広島県」に訪れた際には必ず食べたいもののひとつですね。
『世界遺産』の『厳島神社』がある『宮島』では「牡蠣」を扱ったお店が目移りしてしまうほど、たくさんあるので、『日本三景』と共に充分堪能出来ます。
コロナ禍が完全に終息したら、また行ってみたいなぁ〜。