『緊急事態宣言』の延長が決まり、5月末までとなりました。
酒を提供する飲食店では、休業要請が継続でさらに酒の持ち込みもやめるように要請する一方で、演劇やイベントなどは人数を制限した上での公開が出来るようになりました。
ただ、なぜか映画館は休演・電車も本数を減らすなどと矛盾しているところもあり、関係者に取っては苛立ちを隠せない状態になっています。
『巣ごもり生活』も当たり前となってきており、ベランダや庭などで少しでも閉じこもった環境からのストレス軽減のため、休日はバーベキューやピクニック気分を味わうなどをする方も増えていると思います。
そして、ベランダや庭でバーベキューやピクニック気分を味わうためにで欠かせないものと言えば「肉」ですが、これは当たり前ですよね。
そんな中で、あるとむちゃくちゃ重宝されるもの。
それが「おにぎり」です。
これがあると無いでは気持ち的に全然違うんですね。
さらに味噌汁など温かいものがあったら完璧です。
それこそ、喜ばれますね!
やっぱり『日本人』には「米」と「味噌汁」だと。
そんな「おにぎり」ですが、皆さんは何の具が好きですか?
ある調査ではコンビニの「おにぎり」で不動の人気なのは「鮭」と「ツナマヨ」になっています。
大人から子供までに人気のこの2つの具。
バリエーションも豊富で、「鮭」だったら「ハラミ」や「炙りハラミ」などがあったり、「ツナマヨ」の方は「和風ツナマヨ」や「手巻き寿司」があったりと様々です。
また、回転寿司では「サーモン」と「鮪」が不動の人気と言うことを聞くと、やはり『日本人』は「鮭」と「鮪」が好きなんだなと言うことが分かります。
(上記は「秋鮭」。)
(上記は「本鮪」。」
でも、回転寿司で提供しているこの「サーモン」。
実は、ほとんどが「鮭」じゃないんです。
そのほとんどが分類上は「ニジマス」など「鱒(ます)」を使用しており、海外からの輸入品がほとんどになります。
ただ、「鮭」と「鱒」のはっきりとした区別もないためと、英語だと、どちらも「Salmon」と
表記されるためにこのようになっていったのです。
一昔前までは、海で捕獲した方を「鮭」、川で捕獲した方を「鱒」と区別していたようですが、それも実際には生態系によってバラバラなので、今では同じものとのくくりになっているんです。
今後の研究成果によっては変わるかも知れないので、どうなるかが楽しみのひとつですね。
また、「江戸前寿司」には「サーモン」を提供している場所もあまり見かけないのをご存知でしょうか。
これもしっかりとした理由があります。
まずひとつ目に、冷凍保存されたものよりも新鮮さにこだわりがある職人さんが多いこと。
そして、もうひとつはもともと「江戸前寿司」と言うくらいですから現在の東京湾で採れた新鮮な魚介類のものを「江戸前」と言うこと。
「鮭」はそのほとんどが「北海道」や一部の東北・北陸地方でしか採れないため、「江戸時代」の頃には新鮮な「鮭」が江戸市中まで届けられなかったんです。
しかも、新鮮な生の「鮭」はアニサキスや寄生虫がついているので、それこそ食べたら腹痛になってしまいます。
冷凍技術が無い時代、決して「江戸前寿司」として食べられることが無かったんですね。
どちらにせよ、「江戸前寿司」の職人さんたちのプライドから置かない場所が多いと言うことになります。
ただ、最近は若者は家族連れなどのニーズに合わせて、置く場所も増えて来ているようですが。
個人的にはこのような伝統は守り続けて行って欲しいですね。
確かにイメージは「新巻鮭」など内臓を取り除いて塩漬けにした「塩鮭」と呼ばれるものの方が「鮭」と言う感じがしますもんね。
しかもこの「新巻鮭」、実は「平安時代」から保存食として製造されており、「室町時代」には「鮭」を限定して製造されるようになりました。
それまでは「鮭」以外のさまざまな魚を塩漬けにして、このような製造方法で保存食として生産されていたんですね。
また、今ではお歳暮や正月の贈り物としてこの時期になるとよく見かけますが、この風習も「江戸時代後期」から民衆にも広まっていきました。
やはり、「鮭」は生よりも塩漬けの方が好まれていたんですね。
そんな「鮭(サーモン)」が回転寿司に並ぶようになったのは、輸入・冷凍技術・養殖技術が発展していったことからになります。
脂の乗った「サーモン」についつい手が出てしまうのも、その見た目からも美味しそうに見え、若者の心を掴んだ結果ということなんですね。
また、「鮪」の方はというと今では「大トロ」や「中トロ」などが絶大な人気を誇っていますが、実は「江戸時代」では捨てられていた部分だったんです。
その理由は、冷蔵技術がまだ発達していなかったこと、そして「江戸っ子」たちが脂っこいものよりさっぱりしたものを好んでいたことになります。
確かに、冷蔵技術が発達していない時代では脂が乗っている方が傷みが早いというのは一目瞭然ですもんね。
ただ「赤身」の部分も「大トロ」・「中トロ」よりはさっぱりとしているがやはり傷みが早いために、醤油などに漬けにして食べるのが一般的でした。
いわゆる「漬けマグロ」ってやつですね。
(上記は「はま寿司」から引用。)
また、現在の回転寿司の「鮪」のほとんどが輸入・養殖を使用しており、本場の「大間産 本鮪」はなかなかお見かけする機会がありません。
というのも、水温が低くなる秋から冬にかけてが「鮪の旬」とされており、その時期にしか漁をしないからなんですね。
「大間産 本鮪」が別名「黒いダイヤ」と呼ばれるのも頷ける気がします。
(上記は「星野リゾート界津軽」提供から引用。左から「大トロ」「中トロ」「赤身」。)
最近は脂っこい「大トロ」や「中トロ」よりも「赤身」の方が美味しく感じるのは歳をとったと自覚し始めていますが、それでもやはり「大間の本鮪」の「大トロ」「中トロ」は格別でしょうね。
というように今も昔も「鮭」や「鮪」好きな『日本人』。
時代が進化し昔では考えられなかった製法技術で、回転寿司という形で誰でもいつでも食べられるようになりました。
でも、もし機会があれば「江戸前寿司」にも足を運んでみてください。
その時にしっかりと伝統を守ってやっているんだなとか、家族連れにも合わせているんだなとかその職人さんの気持ちが分かるはずです。
そうして、違う視点で見てみるのも職人さんの「粋」が感じることが出来ますよ。
余談ですが、「ツナマヨ」で使用されもっとも代表的な缶詰の「シーチキン」。
これは「はごろもフーズ株式会社」の商標で許可がないとこの名前で販売出来ません。
だから、「ツナマヨ」と記載されて販売しているのが多いんですね。