本日は『立春の日』と言って、暦の上では『大寒』から少しずつ暖かくなり『立春』を境に春の訪れをあらわしている日となります。
そんな『立春の日』ですが、約40年間(正確には37年間)ものあいだ、2月4日が『立春の日』でした。
ということは『節分』が約40年間、2月3日だったってことですね。
なぜなら、『立春』の前日が『節分』になるのですから。
そして、今年2021年の『恵方』は南南東になります。
『恵方』とは、『年神様』が私たちをその年を見守るためにいる方角です。
しかも、この『恵方』の方角は実は東北東・西南西・南南東・北北西の4つしかないんです。
関西地区(特に大阪府を中心)では、『節分』にその年の『恵方=吉方位』に向かって、一切ことばを出さずに巻き寿司をまるまる一本食べ切る『恵方巻き』という風習があります。
とは言え、いつ頃からこの風習が始まったのかは定かでは無いのですね。
ただ、昭和初期には『恵方巻き』という文化が根付いて、平成に入り、『セブンイレブン』が全国展開したことによって、一気に普及しました。
(↑上図は「(株)セブンン&アイホールディングス」から引用)
私の家も毎年、気になる店の『恵方巻き』を購入し、その時だけは家族みんなで静かに食べています。
個人的には意外に好きなんですよね!
さて、そんな『節分』の翌日が『立春』となるんですが、この日辺りを境に天気予報でも、ある情報が伝えられます。
それは、何を隠そう『桜開花予想マップ』🌸
(↑上図は「日本気象株式会社」から引用)
『立春の日』から最高気温の合計が540°を越えた時期が開花の時期になります。
まさに、「もうすぐ春ですね♪」という感じですね。
そして、本日『立春』には『立春大吉』ということばがあります。
特に禅宗ではお札も配ってそれを玄関口に貼っとくという風習があるのですが、名前からしても縁起が良さそうなもの、実はこれ、字にその力が隠されているんですね。
そこで、この字に関連したちょっと面白い話があるのでご紹介したいと思います。
ある年の『立春の日』に鬼が玄関からやってきた。
しかし、この家は禅宗で『立春大吉』というお札を授かっており、それを玄関口に貼っていました。
鬼が玄関から入って、ふと振り返ると同じ『立春大吉』と言う文字があり、鬼は「あれ?こっちが玄関か。」と思い、そのまま外に出て行って、その家は難を逃れたと言うお話です。
もう少し詳しくすると、『立春大吉』の字の形を見てもらうと分かりやすくなります。
この字をよく見ると左右対称になっていますよね。
それを紙に書いて裏から見ても同じように見えるんです。
だから、鬼は間違えて結局は外に出てってしまったんですね。
また、本日は『立春』と同時に『初午』の日でもあります。
『初午』とは、稲荷神社に参拝し、商売繁盛・家内安全などを祈願し、その後各家庭で「お稲荷さん」などを食べて祝う風習になります。
ではなぜ『初午』と言うと、2月の最初の午の日に伊奈利山に穀物の神様が降り立ったことに由来しています。
そしてその神様が降り立った伊奈山にできた神社が『伏見稲荷神社』なんです。
旧暦の2月はちょうど今の3月あたりになります。
この時期にちょうど稲作の準備を始めることから穀物の神様に五穀豊穣を願い、祭事としたのが風習になっていったんですね。
ちなみによく「稲荷神社」にはキツネがいますが、これは神使といって神様の使いなんです。
だから、まずは神様の使いのキツネに失礼の無いように「お稲荷さん」を捧げるんですね。
また、関西ではキツネの耳に見立てた三角形のかたちの「お稲荷さん」に、関東では米俵型のかたちをした「お稲荷さん」が一般的になっています。
(↑関西型)
(↑関東型)
このほかにも「初午団子」といって繭に似たてたかたちの団子を食べるなど、各地でさまざま違った風習が残っています。
「初午団子」の食べ方も独特なものがあり、醤油をつけずに食べるのがしきたりとなっているんですが、その理由は色をつけると、繭に汚れがついてしまうからとなっています。
このように、本日は『立春』・『初午』と重なっているので、もしスーパーなどで見かけたら買ってみてはいかがでしょうか。
また、近くに「稲荷神社」がある方はお詣りに行くと、良いことがあるかもしれませんね。
そんな風にして『日本』の伝統文化を絶やさないようにしていきたいものです。